複雑・ファジー小説

Re: 双子~モノクロ~ ( No.7 )
日時: 2011/03/08 21:58
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: e8jC9Mfi)

#2


「さぁ、姫様。姫様の15歳のパーティですです。ご挨拶を」


黒い燕尾服を着た執事が、黒と赤のドレスを身に着けた、小さな少女に声をかける。
その少女は、コクリとうなずき、王座から立ち上がって前に出た。
パーティに呼ばれたのは、政治家、国の金持ち共。
どの人も、赤ワインを手にし、王女の法に顔を向ける。
縦に長いテーブルには、黒いレースのテーブルクロスがかかっている。
その上に並ぶ料理は、かなりの悪食ばかりだった。
カブトムシのから揚げ、マグロの目玉、人。

人々はそれを平気で食べる。
—いや、悪魔とでも言うべきか。

この闇の王国は、悪の国。
そう、悪の国—。


「皆さん、今日は有難う御座います。私も15になりました。
今後とも光崩しに力を入れて行きます。よろしくお願いします」


適当な言葉に、拍手が起こる。
野次が飛ぶ。
闇の王女、由美は、表情を変えず、王座に戻った。
悪食を進められ、断る。
その顔は、悪魔だった。