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複雑・ファジー小説
- Re: 双子~monokuro~ ( No.8 )
- 日時: 2011/03/09 20:44
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: e8jC9Mfi)
#3
「みなさん、今日は本当に有難う!」
白いワンピース、いや、ドレスだろうか。
全身、白の服で統一した、可愛らしい女の子が笑顔で叫ぶ。その笑顔は、天使とでも言うべきか。そう、見る人を魅了してしまうような、美しい笑顔だった。
今日は彼女の15歳の誕生日。パーティがお城のバルコニーで行われている。
白いテーブルクロスのかかったテーブルには、白ワイン、上品なお肉、百合の花。
美味しそうな食事が並んでいる。人々は楽しそうに、笑っていた。
此処は、光の王国。白の国。誰もが天使の笑みで笑っている。
彼女、由紀は白いブーケを手にし、少し悲しそうな顔をした。
そして、神の宿る像に手を合わせ、感謝の気持ちを唱えた。
「あぁ、姉さん。由美姉さんは、何をしているのでしょう」
彼女の小さな呟きは、誰にも聞こえなかった。
—聞かれてはならなかった。
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