複雑・ファジー小説

Re: 吸血鬼street ( No.2 )
日時: 2011/05/03 22:15
名前: 郷里 (ID: 8Sk6sKy2)

 第一章  〜第1話・シンの敵??〜
「もうすぐ,夜だね・・・」
「あぁ,もうすぐだ。」
そう答えたのは,駆魅亜和佳奈(くみあ・わかな)もう一人の方が,兄の駆魅亜シン(くみあ・しん)。二人は,仲の良い兄妹だ。
この二人は,代々受け継がれる,駆魅亜家の者だった。駆魅亜家とは,代々【レベル=S】の血を受け継ぐ者の家系だ。
妹の和佳奈は,吸血鬼だと言うことをまったく意識していないのか,いつも,陽の光の下で小動物達と遊んでいる。そのせいか,和佳奈の身体は少しずつ,弱っていったのであった。時々性格が変わるのが、少しアレだが・・・。
兄のシンは,和佳奈と違い,直駆魅亜家当主としての自覚があるのか,無口で外面だけはよい。
そんな二人の仕事は朝・昼・晩と超音波が狂っていないか,確認しに行くことだった。
今夜も同じように,確認しに行った。場所は,この街のはずれにある洞窟の中。ここが一番,超音波を聞き取りやすい場所なのだ。
「いつも,ご苦労な事ですねぇ。」
そう言って,現れたのは,同じ,【レベル=S】,秦條忍(しんじょう・しのぶ)だ。こいつもシン同じ,直,秦條家当主・・・こいつは,シンとは,正反対で,当主などには,ならないと言い,いつしか,どこか知らない街へ行き,幸せに暮らすのだと,無謀な夢を持っている。
「何のようだ。ここへは,駆魅亜家の者しか 入らない規則だが。」
「まぁまぁ,そんな恐ろしい顔でお堅いこと 言わないでください。」
忍が,ふざけ半分で言う。
「シュル。」
そんな,忍の態度に怒ったのか,シンは特殊能力の一つで,長くなった爪を忍の喉に突き立てていた。
シンは今日,お爺様にかれこれ言われて,けっこう,ご気分斜めだったのだ。そんなシンの所へ忍がやってきたから,もう大変!おかげで,シンのご気分,MAX!!!!(いろんな意味で)忍,大ピーーーーーーーーンチ!!!!!   
「いくらお前が,秦條家の当主だからって, 駆魅亜家の者には敵わないんだぞ。」
「そんなこと分かっていますよ。ただ今日は 良いことを,お教えに上がったまでです。」
「良いことだと?」
シンが機嫌が悪そうに言う。
「えぇ。超音波のことで。わたくしの特殊能 力で調べた結果,
近々, 超音波が狂うと言うことが分かりましたので,一応,ご報告 までと。」
忍が,なめらかに淡々とした口調で言う。
ちなみに,忍の特殊能力は,先のことが分かる予知能力と土や,植物・動物・主に自然を思うがままに,操れることだ。
駆魅亜家の者の特殊能力はまだ,未知数だ。
「なんだと!それは本当か!?」
「はい。細かくは分かりませんが,多分明後 日ぐらいだと思われま す。」
「お前,たまには,役に立つなぁ!」
「わたくしには,もったいないお言葉です。 シン様。」
「このことを早く父上に!和佳奈!」
「はい!」
こうして三人は,一端,駆魅亜家の屋敷に帰ることにした。



コメント待ってます!!