複雑・ファジー小説

Re: 吸血鬼street ( No.5 )
日時: 2011/05/03 22:19
名前: 郷里 (ID: 8Sk6sKy2)


  〜第二話・招かざる客〜  前編

「何だと!それは真実か!!」
「はい,父上。忍の予知能力によればですけど。」
「お前の特殊能力,信用しても良いか?」
「なんなら,ここで首の一つでも落としますが?」
「ふむ。では,シンと和佳奈は吸血鬼達を止める準備を!忍,お前は館華・裡黄・樺那家,その他五家へ行き,このことを伝えよ!」 
「は!」
それぞれ与えられた仕事をし,駆魅亜家の屋敷には,十家の者達が集められた。
「近々,超音波が狂うとは真実でございます か!?」
「ふむ。秦條家の忍の話によればだ。」
「まぁ。何て事でしょう!」
「三千年前の惨劇がまた行われるのか・・  ・」
みんなが不安そうに,言っている間に,忍が口を開いた。
「でも,その騒ぎに紛れて,普通に吸血鬼の血や人間の血を吸っている者もいよね。」
シーン。
不安の声で一杯だった,屋敷の中が静まりかえった。
「まぁ,僕もその一人なんだけどね。」
再び,屋敷の中が,静まりかえった。
だれしもが,それに反論することは,できなかった。なぜなら,自分たちもそうやって,三千年前,吸血鬼の血を吸っていたからである。
「いい加減にしてください!」
さっきまで,うつむいていた和佳奈が口を開いた。
「確かに,私達も三千年前,騒ぎに紛れて, 吸血鬼の血をや人間の血を吸っていました。 だけど今度は,その過ちを二度と起こさな いようにする事が,私達,【レベル=S】の役目なんじゃないんですか!?」
「・・・・・・」 
「和佳奈の言うとおりだ。私達はいつから【レベル=S】としての誇りを失ってしま ったのだ。」
少し経ってから,静かに拍手が起こった。
「・・・・」
「それと,忍。よけいな言論は述べるな。分かったな。」
「はい。申し訳ありませんでした。」
「では,話を戻そう。まず,どうやって吸血鬼達を元に戻すかを考えよう。」
「三千年前の記録は残っていませんでした。」
「情報なし・・・か」
しばらくこの部屋は,沈黙に包まれた。