複雑・ファジー小説
- Re: たんぺんしゅー。 ( No.6 )
- 日時: 2011/05/21 13:16
- 名前: 白兎 (ID: A6MC5OIM)
——いいな。
私も、欲しかった。
稜太と同じ指輪、ペアリング。
そんな事、無理に決まってるって
分かってはいる。けど
どうしても、考えてしまう。
それに
私が欲しいのは指輪じゃないし。
私が彼に告白したら、何か変わるのかな。
このじれったい、まどろっこしい想いもしなくて済むのかな。
でも、もし私が彼に「好き」だと伝えたとして
絶対 本気になんてされない。
本気にされたとしても
どうなるっていうんだ。
きっとあいつは、困ったような、哀しいような、申し訳ない顔になる。
きっと悩むし、苦しむ。
あいつが実はとんでもないへタレで、とても優しい事は知ってる。
そんな事はしたくない。
——なんて、キレイ事。
本当は、私が臆病なだけ。
日常を壊す勇気が無いだけ。
辛くても幸せな今に浸っていたいだけ。
キラリ、鈍く光るリング。
それに合わせ、疼く胸。
小さく、鈍い痛み。
美桜が笑う。
つられて稜太も笑った。
美桜が独り占めできるその笑顔。
私には、どれだけ手をのばしてみても、届きそうにない。
疼く。
疼く。
胸の痛みはやまない。
ほら、また———
ある日のこと。
2人は、喧嘩したみたいだ。
いつも仲良しな2人にある
微妙な距離。
でも、チャンスだなんて思わない。
思えない。
そう思えるほど、2人の絆は脆くないと
判っていたから。
「どうしたら、仲直りできる?」
弱々しげに、そう訊ねられた。
そんなの知らない
別れちゃえば?
そう言えたなら、どれだけ楽だろうね。
次の日、仲直りした2人。
「ありがとう」
大好きな人に、そう言われたわたし。
「千恵子はいい奴だな」
そう言いながら、稜太は私の頭を軽く撫でた。
こっちの気もしらないで。
心のなかで、そんな悪態を吐いてみせた。
本当は、撫でられただけで嬉しかったのに。
頭から彼の手が離れていく。
目に飛び込んだのは、いつかのリング。
ああ、やっぱり。
あれは、私には届かないモノなんだ。
……胸が、痛い。
「でしょでしょ!
今度 何か奢ってよね」
ニカッと笑って、まばたきすれば
瞳から、ひとしずく。
シズクは堕ちた。
◆後書きっていうか落書きっていうか楽書き◇
今回は切ない系を目指してみました。
新垣●以さんの「ペアリ●グ」を聞いて書いたので、
内容とかはほぼパクリ状態←
え、あ、いや、そんなにパクリって訳でもない(と思う)んだけ ど…ね?ブツブツ
すごく可愛い唄。
知ってるかた居ますかね?