複雑・ファジー小説

Re: Stardust・Emperor【感想求めます】 ( No.11 )
日時: 2011/04/12 05:57
名前: ミズキ ◆vVjF/hT94A (ID: cEkdi/08)


私の周りに土煙が立ち込める。

ヒデイルとやらのパンチの風圧だろう。

だが、私はこういう風にのんきでいられる。


土煙のせいで辺りが見えない。



やがて、土煙が少しずつ引いていくと、見覚えのあるあの人がそこにいた。

夢の中でがらくたの中から出てきた人。
前に助けてくれた人。
あの無愛想な性格の人。


正直戸惑っている。
なぜ彼がココにいるのか。
また私をギリギリで助けてくれた。



だが、戸惑いよりも嬉しさの方が込み上げてくる。


「ディア!」

「ん・・・?」
ディアは首を傾げた。


「村の近くで会ったリシア! もう忘れたの?」
冗談っぽく怒ってみた。
リアクションを期待してたが、


「あ、なんとなく思い出した」

ありきたりの返事にノーリアクションだった。



そんなことをしているうちに土煙が完全に消えた。

ヒデイルの亡骸が首と上半身と下半身と左腕の4つに分かれていてとても見てられなかった。


この一生でディアだけは怒らせちゃいけないな。


「また助けてくれてありがとう! この間の件もあるし、お礼させて!」

だが、ディアはコートについた土煙を払いながら
「いいよ。お礼なんて。大体お前自身大丈夫じゃないだろ」


ディアは私の右手を指差した。
そうだ。
アレを使うために右手から血を流させた。


「こんなの大丈夫大丈夫! いいからなんかお礼させて! お腹減ってない?」

ディアは相変わらず短く
「大丈夫」
と一言。

だが、ディアは大丈夫と言ったくせにハデにお腹が鳴った。

ディアは赤面した。
その表情はホントに恥ずかしそうだった。


私は笑いながら、ディアを連れて、宿屋に入った。


お金に余裕はないけど、少しくらいなら・・・


とか思ってたが、実のところ底が見えているところまで来ていた。
らしい。