複雑・ファジー小説

Re: Stardust・Emperor【感想求めます】 ( No.20 )
日時: 2011/04/15 20:35
名前: ミズキ ◆vVjF/hT94A (ID: HFyTdTQr)


爆発の煙で辺りが見えない。
倒したかどうかもわからない・・・


そんなこと思っていたら突如足が現れ、私に向かって蹴ろうとしてきた!

ギリギリでしゃがんでかわしたが、バランスを崩して後ろに倒れてしまった!

そして私の首筋にはグリケンの剣が添えられていた。


「人間風情が・・・」
グリケンの声だ。
でも、グリケンも見た目は人間だったが・・・

だが、煙が消えたとき私は息をのんだ。


グリケンは所々怪我をしていた。
だが、そこは予想の範囲内だ。
なんと、その傷口から見えたのは・・・

「機械・・・」
私は思わず口にしてしまった。

「そうだ! 俺はただの人間じゃない! サイボーグだ!」
高らかに笑いだすグリケン。

「あの方が俺に力をくれた・・・」
「力・・・?」
体を機械にしてまで力が欲しかったのか?

「そのあの方がディアを殺せと言った! そう! これはあの方への恩返し!」

「何故・・・ディアなの?」
私の頬に汗が伝う。

「それはあいつは俺らの出来・・・」
グリケンは言葉の途中で爆音と共に消え去った・・・

爆音をする方を見ると、予想もしなかった光景がそこにはあった。

「ディ・・・ア?」
ディアの左手は巨大なキャノン砲に変貌していた。
そのキャノン砲の発射口から細い煙が出ていた。


「あんまりベラベラ喋ってんじゃねーよ。グリケン」
キャノン砲を撃ったと思われる方向は木々が消滅し、地面も深く削られていた。


だが、その奥から傷だらけグリケンが姿を現れた。
その両手はチェーンソーに変貌していた。

「黙れ! 不穏分子!」
明らかにさきほどより殺気だっている。
もう私のことなんて見えていないようにも見える。


お互いにらみ合いが続いている。
私は再び茂みに身を潜めた。
多分ディアにとっても私がいない方がやりやすいはずだ。


「行くぞ?」
ディアが問う。

「好きにしろよ。不穏分子」
ディアは歯をならした。
だが、その後休む暇もなくキャノン砲を構えた。


「同じ手は喰わねぇ!」
グリケンはディアの背後に回り込む!

これも速い!
だが、回り込んだ先にはディアの背中ではなく発射口・・・

「終わりだ! グリケン!」
「かかったな!」
グリケンはディアのキャノン砲を一刀両断した!

「何がだ?」
と言ってニヤリ笑ったのは意外なことにディアだった。

・・・いろんな意味で。



グリケンが切ったと思っていたキャノン砲は少し傷がついたくらいで、壊れたのはグリケンのチェーンソーだった。


それほどの硬度を持つのか。
あのキャノン砲は。


武器を失ったグリケンは顔面蒼白。
そして、容赦ないディアのキャノン砲の一発。

グリケンは上半身を失った状態で倒れた。


それをディアは右手で殴り、跡形もなく破壊した。


今日は驚くことばかりだ。
というより、夢じゃないのか?

私はディアに聞きたいことがまた山ほど増えた。