複雑・ファジー小説

Re: Stardust・Emperor ( No.7 )
日時: 2011/04/11 12:14
名前: ミズキ ◆vVjF/hT94A (ID: cEkdi/08)


「痛っ!」

あれ?
目を開いて目の前にあったのは・・・

・・・木の板?


あぁ、なるほど。
「夢か」

木の板はベッドの横の板だった。

自分はうなされていただけだろう。
なんとなく理解が把握できた。


うなされてベッドから落ちるなんて我ながら情けない。

「キャー!」

悲鳴か!
女性の悲鳴が私の部屋に届く。

私は護身用のナイフを構え、悲鳴のする方へ走った。

「女将さんよぉ! ちょっと金出してくんねぇかな?」

こいつは山賊か?

山賊らしき男がロビーで、女将さんを脅していた。

「ちょっと待ちなよ」
私が制止に入る。


「なんだ? ねぇちゃん? 金がねぇならどこへでも消えな」
山賊らしき男はどこかで見た嫌な笑みを浮かべた。


「これが目に入らない?」
別に隠していたわけでもないナイフを独特に構えた。

私はこうみえて短剣の扱いを心得ている。
と言ってもかなり幼い頃に少し習ったという話だが。

私に一番合ってた構えが今、やっている構え。

右手で柄を持ち、左手のひらでその柄の先っぽを押さえ、それを胸の前で行うという構え。

その構えのまま、敵を刺せたらかなりの威力を誇る。

守備はほとんど捨てている。
ただ、その気になればすぐに左手に持ち帰られる。


攻撃を重ねて敵が力尽きるのを待つ・・・

そういう戦闘スタイルだ。

「ねぇちゃん、マジでやる気か」

山賊らしき男は私からは見えなかったが、背中から古ぼけた斧を取り出した。

取り出してすぐ、男は斧を私に向かって降り下ろした!

私は寸でのところでそれをかわすが、宿屋の床の一部に大穴が開いた。

私は一瞬穴に落ちかけたが、体制を立て直し、再び構える。


そして、ナイフを男に向けて、突進に出る!

だが男はナイフの刃をなんと素手で受け止め、その刀身を易々と折ってしまった・・・

「そ、そんな・・・」

私は全身に走る脱力感を感じた。

その間に私は吹っ飛んだ。

床に倒れた後に、男を見ると殴った後体制だった。


このままじゃヤバい・・・



最近は命の危機を感じることが多い。
これが最期かもしれないが。


私は刀身のないナイフを力強く握った。