複雑・ファジー小説

Re: Stardust・Emperor【感想求めます】 ( No.9 )
日時: 2011/04/11 21:55
名前: ミズキ ◆vVjF/hT94A (ID: cEkdi/08)


手には血が滲んでいる。
それほどまで強く柄を握っていた。




だけど・・・


血が出た時こそ・・・!




私は大きく足音を立てながら、宿屋の外へ走った!

「来いよ! 雑魚! あんたに怪我させられてないけど?」

挑発。

狙い通り山賊らしき男は宿屋の外に出てきた。
額に血管が浮き出ていて、眉間には濃いしわがあった。

ご立腹なようだ。

「なめたこと言ってくれるじゃねーか!」
山賊らしき男は斧を地面に思い切り刺した。

周りの地面が少々めくれた。
これをくらったら即死は免れないだろう。


私は刀身のないナイフを背後に投げ捨て、ナイフを握って右手を山賊らしき男に向かって腕ごと思いっきり振った!


言うまでもなく血が男の服や顔に飛び散る。


男には何が起こるか理解できないだろう。
むしろ、理解できた方がすごい。


そして私は左手で指を鳴らした。


すると、突如謎の爆発が男を包んだ!



そう、これは私が産まれながらに持っていた不思議な力。

私の鮮血は、私の左手の指を鳴らしたときに小規模な爆発を起こす。
何故かはわからない。
知る由もない・・・

何故なら・・・


いや、昔の記憶を思い出している場合ではなさそうだ。


男は顔や体の一部がえぐれ、斧が破壊していたが、ほとんど体制を崩す事なく立っていた。

「頑丈なことで」
私は笑顔だ。
何故だか負ける気がしない。

「クソが・・・なめやがって!」

男はさっきより額の血管が浮き出ていた。


今度は左手で殴りかかってきた。

多分、もうこの男は正気を保っていない・・・
と思う。
こいつは右利きなはずだし。


私はその男の拳に対して右方へかわした。
その後、さきほどと同じ手段で今度は左腕を三発。



鈍い音と共に男から何かが落ちた。
・・・男の左腕だった。

正直見たくはない。
男自信も落ちた左腕も。

だが、視線をそらせば殺される!


「やってくれるじゃねーか・・・このヒデイル様の左腕を奪った罪を償わせてやる!」


ヒデイルと名乗ったその男は空へ向かって思い切り叫んだ。

あまりの声量に、私は反射で目と耳を塞ぐ!


咆哮が止んで前を見るが、すでに私の視界にはいなかった!

私は辺りを見渡すが、ヒデイルの姿が見えない。


・・・後ろだ!

気配を感じて後ろに振り替えるが・・・誰もいない?


「うぉぉぉらぁぁぁぁ!」
ヒデイルの叫び声!

・・・しまった!

ヒデイルの叫びが聞こえた方向は私の背後。


何とか体ごと振り返ったが、もう距離が近すぎる・・・


今度こそ最期なのかな?