複雑・ファジー小説
- Re: IF=全国中学生能力者選手権編= キャラと能力募集中 ( No.116 )
- 日時: 2011/09/19 08:01
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: PJWa8O3u)
東京編続き
ほんの少し、ミスをしただけだ。
あまりのささいなことにどのようなミスかは忘れてしまった。
それのせいで、優勝を逃した。
二位だというのに周りははしゃいでいる。
勝てなかったのかよと嘲る奴らもいた。
はしゃぐ奴らには負けたら意味が無いと怒鳴りたいし、
嘲笑する者たちにはお前たちに何が分かると言いたくもなる。
自分がどっち側につきたいのかしら分からない。
それでも、今現在自分の感じている欲求は分かる。
———目の前の二人に勝ちたい
特に、去年のリベンジを兼ねて飛跳子には、必ず。
拳銃型のエアガンを相手に向ける。
BB弾は入っていない、入っているのは気を込めるための特別な弾丸。
自身のLV2の能力を発動、彼は気をその特殊弾に注ぎ込む。
イメージする色は透明、想像する動きは渦。
ゆっくりとそのプラスチックの引き金に込める力が強くなる。
パンという警戒で、おもちゃのような安上がりな音響が鳴る。
渦を巻いてうねり狂う横向きに直進する竜巻が発生する。
そして彼、駿河命はぽつりと言葉を残した。
「ウインド・ブレッド(風の弾丸)」
地面を抉り、空を食いちぎる勢いで対峙している
チョコとトーゴーにその竜巻は向かって行く。
彼らは特に臆することなく向かってくる。
小柄な少年は手に、因縁の相手は装飾のついた銃に気を込めて各々の気弾を錬成する。
「覇気弾!」
小東(トーゴーです)という少年がストロンガーの頑強な性質の気を
練って固めた強力な気弾を撃ちだす。
竜巻というのはあくまで外見の印象、威力は突風程度しか無い。
その二つのエネルギーは激突する。
少々硬直状態が続いた後に、風が競り勝った。
だがそこに、飛がアシストを入れる。
三発の気弾を連続で放つ。
さっき少し威力が削られたこともあり、完全に相殺される。
だが、充填はこれで充分だった。
「サンダー・ブレッド(雷撃の弾丸)」
黄色い閃光が宙空を翔けぬける。
あまりにものそのスピードは、レーザーや本物の雷のようだった。
銃口が黄色く煌めいて我が方向に向けられた瞬間にヤバいと察したトーゴーは
咄嗟に、反射的に防御のためにストロンガーを発動させた。
速水同様にその数値は大幅に上昇している。
それでも、雷の一撃には切り裂かれるような痛みが感じられた。
その一撃に膝を着く。
それを尻目に、今度はチョコに向き直る。
今度想像する色は赤、イメージする現象は消滅だ。
「ファイア・ブレッド(火の弾丸)」
燃え盛る紅い炎の弾丸がその銃口から飛び出してくる。
その大きさや威力は大体神道の火炎玉と同じだ。
回避が間に合いそうになかったので、咄嗟に手元の銃の引き金を引く。
だが、その威力に押されて、簡単にかき消される。
炎の弾に包み込まれ、そこから現れたチョコはもう闘う力は無かった。
「よし・・・まずは一人」
そこで彼は微笑を漏らした。
前年度の雪辱を晴らし、感傷に浸っている。
その隙を見逃してはいけないとトーゴーはすぐに起き上がった。
足音をできるだけ小さくし、気配を殺して後ろに回り込む。
すんでのところで気付いた駿河は、銃を向けるが、間に合わなかった。
「ストロンガー20」
そこに、容赦のない突きが入る。
避けようと後ろに下がったせいで、幸いなことに威力は軽減されたが、
それでもかなりの痛手。
すぐさま体勢を立て直そうと試みる。
「く・・・」
咄嗟に自責の念が湧きあがってくる。
済んでしまったことは仕方が無いとわりきろうとするのだが、
今のは自分の油断が招いたのだと、しつこく言及する自分もいる。
「さあ、どうしようか・・・」
もう一度、彼はトーゴーに向けて銃を構える。
一番速いサンダー・ブレッドか、一番破壊力のあるファイア・ブレッド、
そのどちらかで攻撃しようとしたその瞬間、
覇気弾をトーゴーが飛ばした。
咄嗟に対応して炎の方の弾丸で打ち消す。
衝突の際に真っ黒な煙が上がり、視界を塞ぐ。
もうもうと立ち込める黒煙が邪魔だと感じた駿河は
ウインド・ブレッドをすぐさま放ち、鬱陶しい煙を吹き飛ばした。
トーゴーはまだそこまで間合いを詰めていない上、
気の錬成の仕草も見られない。
特に攻撃しそうな様子が無く、油断していたその瞬間に気付く。
そのトーゴーの足元に穴が開いていることを。
覇気弾を撃ち込んだ?一体何のために?
別に地面に撃ちこんでも地雷になる訳でも無し・・・
「・・・・・地雷?」
そこでようやく気付く。
撃った気弾はただの覇気弾ではなく、爆気弾だということ。
地中に忍ばせて対象の真下に移動させた後、
下から一気に吹き飛ばせば・・・
「させるかよ!サンダー・ブレッド!」
すでに下に来ていたらひとたまりも無い。
とりあえず後ろに飛びのいて銃に気を装填する。
目いっぱい充填の終わった銃の引き金を引いた。
「轟爆壁!」
地面から、幾重もの爆炎が上がる。
地面に撃ちこんでいた爆気弾は一撃では無かった。
その爆炎の壁が雷の行く手を遮った。
威力に押し負け、黄色い弾丸は無力化させる。
「撃滅大豪炸!」
フィールド全体から、地下からトーゴーの気弾が爆発する。
回避できるポイントは、今トーゴーのいる地点だけ。
防ぐ手段もその全ての爆撃を打ち消す手段も駿河には無かった。
第二戦終了時途中結果、
君吉チーム三点、生徒会チーム三点
続きます
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次回登場するのは、まああの二人です