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複雑・ファジー小説
- もの好き男の宣戦布告!? ( No.20 )
- 日時: 2012/10/08 09:49
- 名前: ゆかむらさき (ID: ZD9/Y1q1)
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「松浦くん」
バスに乗ろうとしたら、背後から誰かに声を掛けられた。
足を止め、振り返ると、上品な顔をした男が近付いてくる。
(ああ、こいつは確か……)
「高樹ー、早く来いよー」
そうだ、高樹だ。見覚えがある。今、この男をを呼んだ健(俺と同じクラスの結構仲のいい友達)と、よくつるんでいるBクラスの奴だ。
クラスが違うから話をした事はまだ一度もないが————
「いーよ。健、先行ってて」
髪の毛を指でかき上げてニコッと紳士的な笑みを浮かべた彼はゆっくりと話し出した。
「どうも。僕、2年生Bクラスの高樹純平です」
律儀にまず自分の名を名乗り、ニコリと微笑む“高樹”とやらいう男。誰にでも好かれるような甘い声、そして優しい瞳をしている男だが、なんとなく感じる。まるで俺に対して挑発をしているかの様に————
どうも、うさん臭い。
健の友達だから、あまり悪くは言いたくないのだが————
(こいつが俺にいったい何の用なんだ……)
ジャケットのポケットから出した右手を腰にあてて目を細めると、高樹……というやつは俺の顔色を探りながら聞いてきた。
「今日、君と一緒にバスに乗ってきた女の子の事、聞かせてくれない?」
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