僕に初めてを教えてくれたのは。 パパでも、ママでもなく。 僕をさらった、誘拐犯でした。「ゆるい手錠と誘拐犯の花束と」 僕が言ったのです。「どうか、僕を誘拐して下さい」「その後は、僕を殺しても、いたぶっても、遊んでも……いいから」 と。 その人は、僕を誘拐してくれました。 そして、大事に大事にしてくれました。