複雑・ファジー小説

Re: Love Call ( No.121 )
日時: 2011/11/01 18:12
名前: 葬儀屋 (ID: cX9VSRxU)

 僕と初めて会った時、抱きしめてくれたその人は、僕を「冬花」と呼んだ。

 本当は違う名前だったけど、僕が頷いたら、その人は嬉しそうにした。

 僕は白い部屋に閉じ込められた。ちょっと大きめの真っ白のベッドがあって、そこに押し倒されて、冷たい鉄色のわっかに腕を通した。

 黒い、やわらかい布で、眼をふさいだ。

 その人は言った。

「冬花が逃げちゃったら、ボクは死んじゃうんだよ」

て。

「逃げないよ」

 て、言ったら、

「嘘はみんな吐くでしょ」

て言って、その人は僕の身体にピンク色の毛布をかけた。

「今日はお休み。ばいばいして」

 温かい息が僕の頬にかかって、それで、口になにかテープが張られた。



 口に、温かい何かの感触があって、僕は、眠った。