複雑・ファジー小説

Re: Love Call ( No.124 )
日時: 2011/11/02 22:25
名前: 葬儀屋 (ID: cX9VSRxU)

 目が覚めたとき、目の前は真っ黒で、なんでかな、て思ったら、頭がずぅんって、いたくなった。

 手がぬるぬるしていた。

 泣いたのかな……なんで見えないのかな。布のせいかな。

て思ったけど、ちがった。布は、外されていたから。

 その人が小さく言った。

「とうぅ……かぁ。冬花が、悪いんだよぉ……? 冬花が……ボクを、嫌そうに……みるから……」

 目の中に、なにかが入れられた。冷たかった。瞬きをしたら、無くなった眼球が、ちゃんとあった。

「それが、今日から冬花の眼だよ。ボクを、ボクを……嫌そうに、見ないで、ね……」

 いたかった。泣きたかった。じんわり頬に温かいものが伝った。

 それが、血なのか。涙なのか。僕にはわからない。

 ただ、それをぬぐって、その人が、僕を抱きしめた。

「ごめんね……全部、ボクが悪いんだ」

 僕に、その人は謝った。



 謝るのなら、最初からしなければいいのに。