複雑・ファジー小説

Re: Love Call ( No.7 )
日時: 2011/07/01 23:29
名前: 葬儀屋 (ID: 2cEGTv00)

よくわからない天気。水曜日。

 今日、眼を開けると、あー君が当然のように隣で座って、笑っていた。

 そうして、怯えている素振りも見せず、自分の手を握って、また笑う。

「いたくない? よかった……ずっとおきてくれなかったから……にいににね、ずっとやってることしたらね……おきてくれたんだよ?」

 ゆっくりと自分の手の甲をさすり、あー君は笑って。

 泣いた。

 あー君……? どうしたの?

「だ……だってぇ……ずっと……ずっとおはなししてたのに……おきてくれなくてぇ……こわくて……」

 大丈夫。自分はあー君のお兄ちゃんの代わりにいるんだよ? お兄ちゃんが起きるまで、自分は、あー君のそばにいるんだよ?

「けどぉ……こわかったぁ……」

 この時、あー君は、久しぶりに、自分の身体に顔を押し付けて泣いた。自分の腕にすがって、泣いた。

 ごめんねあー君。あー君を怖い目にあわせちゃって。

 実験しちゃって。

 けど、ありがとねあー君。自分を助けてくれて。