複雑・ファジー小説

Re: Love Call ( No.8 )
日時: 2011/07/08 23:06
名前: 葬儀屋 (ID: 2cEGTv00)

晴れ。月曜日。

 医師からの診察。自分は、精神病棟に入院することになった。

 ドラッグはやっていないか、さんざん聞かれた。やってないと言っても、信じてくれない。

 話によれば、症状は軽い方らしい。自傷行為は、日に日にひどくなっていくが。

 あー君はよく来てくれる。教会のシスターさんっぽい人を連れて。

「あーくんとおともだちになってくれたんだよ!」

 そう、よかったね、あー君。

「うん! けどね、やっぱりさみしいよ……———がいなくて」

 ———……。そう言えば、あー君はほとんど自分の名前を呼んでくれなかったよね。けど、そっちの方がいいんだ、自分はその名前が嫌いだから。

 教会は、楽しい?

「ううん、おともだち、いないから……はやく、もどりたい」

 駄目だよ、負けちゃ。あと少ししたら、退院できるよ。

 (嘘だけどね)

「うん! わかった! あーくん、おりこうさんでいる!」

 嬉しそうにシスターに話しかけるあー君。

 自分は見た。

 あのシスターが自分を見て、頬をひきつらせたのを。


 これでもう、あー君には会えないかもしれない。

 今頃、教会では、噂が流れていて、もうあの人には近づかない、そう、あー君に神様の前で誓わせているだろう。

 ばいばい、あー君。

 また、会えるのを祈って。