複雑・ファジー小説

Re: Love Call ( No.96 )
日時: 2011/09/25 14:23
名前: 葬儀屋 (ID: cX9VSRxU)

 私は思うけど……たぶん、面白いと思えることはすごいことだと思う。愛してるって、何も知らない相手に、なんでそんなことが言えるの?

 俺の居場所は君の中でしかない。俺が君になれたら、どれだけよかったか。君は……もう俺なんだ。

 僕だけでいい。罪の枷をつけられるのは僕だけ。アヤノは、ずっとずっと、自由のままでいい。

 私、出来るだけ関わりたくない。悲しそうな顔しても駄目だよ、これは私の意思。君が干渉できるほど、弱くはない。


 色々な思考がごちゃ混ぜに鳴り響く空間。

「どうしましょうか? ラブコール」

 俺は、空白へと問いかけた。

「誰に……地獄を味わってもらいましょう」

 ラブコールは、一人の人間の願いはかなえるが、それに見合った生贄をささげなければならない。その者の瞳の奥が全て絶望に染められた時、ラブコールの真の目的が達成される。

「……いつもなら俺が決めるんですけどねぇ。流石に、これだけ一緒にいれば情も湧きますよ……はぁ、それでも俺が? ドSですねぇ」

 身体が張り裂けそうになる。気持ちはとっくに忘れたが、生きていく上での微かな情だけは残っていた。

「全員良い質ですよ……染まりやすく、なおかつ壊れにくい。いや、扱いを丁寧にしなければ人間などガラスはおろか紙よりも破れやすいでしょうから……」

 出来れば、全員の願いをかなえてやりたい。しかし、ラブコールがそれを許さない。

 幸運の裏に不幸は必ずまとわりつく。