複雑・ファジー小説

Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.11 )
日時: 2011/07/04 07:53
名前: コーダ (ID: kY71cFa4)

「こんな状況で、そんな事いえる蓮花の腐った根性が面白いな……しかも巨乳女とは傑作だな……待ってろお前達!俺は今からそこにいく!」
 
 そう言って、東牙は屋根から、地上に飛び移った。
 しかも、着地点をあえて、鞘嘉多の関係者が左右にいる所の丁度ど真ん中にしたという。
 もちろん、このままでは、挟み撃ちにされる危険性はあったが、東牙は着地した途端ある宣言をした。

「聞け貴様ら!俺は鞘嘉多の決まりを反対する!そして、俺は自分の名字を捨てて完全に鞘嘉多の縁を切る事にする!」

 そう、東牙は鞘嘉多との縁を完全に切ると、宣言したのだ。
 これには、さすがに関係者全員驚いたが、1人だけあまり驚きはしなかったという。

「東牙殿……いや……裏切り者に何が出来るというのですか?さぁ、一斉に裏切り者を囲むのですぞ!」

 老爺がそう言うと、一斉に鞘嘉多の関係者が、東牙を囲み始めた。
 絶体絶命のピンチというのに、少年は、とても落ち着いていた。

「これで爺が一声かければ、お主は即天国行きですぞ?」
「……爺さん……あんたには世話になった……だけどな……それは今日で終わりだ……所で佳恵さん?あなたは、どうなんですか?」

 東牙は、こんな状況で佳恵に質問する。
 この質問をしたのは、簡単で、佳恵の気持ちを知りたかったからだ。

「……わたくしは……。」
「あくまで、佳恵さんの気持ちを、正直に言って欲しい……。」

 佳恵は答えを出すのに、とても悩んでいた。
 すると、佳恵の後ろにいた蓮花が。

「ああもう!じれったいわね!この際、敵か味方かとっとと決めちゃいなさいよ!せっかく東牙は、覚悟決めて、ここに殴り込んでいるのよ!?あんたも覚悟くらい持ったら!?」

 と佳恵に一喝した。
 さすがに、これを聴いた佳恵は、一気に心を動かされたらしく、やっと決断をした。

「……ふふ……わたくしとしたことが、子供に説得されるとは思いもしませんでしたわ……分かりました……わたくしは、東牙について行きますわ。」
 
 佳恵は、覚悟を決めて東牙について行くと、あのいつもの口調で固く誓った。
 すると、それを聴いた、鞘嘉多家関係者の一部が「俺も元々反対派だ!」「俺も東牙について行くぜ。」などと叫んだのだ。
 これには、さすがの老爺も驚いたという。

「どうだ?俺以外にも協力者は少なからず居るんだ……行くぞ。まずは蓮花の救出だ!」

 東牙がそう言うと、反対した鞘嘉多家の関係者が、一気に士気をあげて、賛成派の鞘嘉多関係者を斬りつけ始めた。
 100人も満たない数だったが、懸命に抗う姿は、非常に勇ましかったという。
 佳恵は、1番蓮花の近くにいたので、一緒に東牙の元へ向かった。
 もちろん、東牙もその様子をみていたので、敵を斬りつけながら向かっていく。

「前代未聞ですぞこれは……なんとかせねば……おおそういえば……こんなときのために四天王がいたのう……早速呼びに行くかの〜。」

 老爺は、こっそり誰にもバレないように、ここから戦線離脱をした。

「佳恵さん!すまんな……こんな貧乏くじを引かせてしまって……。」
「いえいえ……わたくしは思ったことを素直に言っただけですわ……それに……。」

 佳恵は”それに”と言った後、何も言わなくなった。
 東牙は、少し気にはなったが、状況が状況なので聴こうとはしなかった。

「とりあえず、まずは蓮花を安全なところに避難させないとな……。」
「私の家に行けば、協力要請も出来て一石二鳥よ?」
「ですね……東牙?それはあなたの役ですわよ?この少女を安全に家に送ることを……良いですわね?」

 蓮花の避難場所は、無難に蓮花の家になったが、その付き人は東牙になった。
 しかし少年は佳恵に。

「だけど……俺がこの場から居なくなるのは……。」
「これくらい、わたくしたちだけでも十分ですわよ?だから早く行くのです……。」

 東牙は佳恵の言葉に、黙ってこくりと頷いた。
 そして、蓮花の手を握り、木葉家に向かって走り出した。


                ○






 そして無事に木葉家についた俺は、すぐさま1人で鞘嘉多家に戻った。 
 だけど、そこに行くと誰も居なくなっていて、もぬけの殻状態だった。
 たぶん、どちらも逃げたのだろう、と思った俺は帰る場所がなかったので、とりあえず木葉家に居候という形で住むことになった。
 その際に、俺は名字を“科門(しなかど)”として戸籍にもそうやって登録した。
 
 そこからの生活は非常に変わった……自分の時間を全て鍛錬に費やし、体力的、精神的な向上。寝る間を惜しんでは、とにかく本を読んで知識を頭の中にたたき込んだ。
 そのせいで、視力はガタ落ちになって、メガネも掛けることになった……復讐のきっかけはこんな感じだ。

 そして、そこから5年後だった……復讐に終止符をつけるための旅を始めたのは……。






 え〜…最初は簡単にプロローグ的な感じです。次の話から本番です。
 なお、私は非常に誤字・脱字などが多いのでもしそのような物があったら温かい目で見守ってください。(報告してくれたら嬉しいですけどw)

※キャラ設定はもう少しお待ちください。

 それではまた〜!!