複雑・ファジー小説
- Re: 復讐 5年の歳月を経て…… ( No.114 )
- 日時: 2011/07/03 01:23
- 名前: コーダ (ID: H0XozSVW)
「……これは一体?」
当然の反応をする東牙。
周りの3人も、紙を見てポカンとしていた。
「ちょっと長いけど説明する……姫狗が言っていたんだけど、星座にはそれぞれ、相性が良いものと悪いものがあるんだって。さらに星座には、それぞれ体の部位を、象徴するものでもある……もし、相性の良い星座なら、その体に力をくれる。だけど、相性が悪いと、その体に傷を付ける……私が説明できるのはここまでだ。」
この、長くてよく分からない説明を、理解できたのは東牙だけだった。
後の全員は、頭の中にクエスチョンマークがあったという。
「つまり、姫狗と戦う場合は、自分の星座が大事だという事か……俺は終わりだな……。」
紙と自分の星座の相性を見て、東牙は“終わり”宣言をする。
すると蓮花が「ああ……なるほどね〜……これを恐ろしいわ。」と、やっと理解が出来たみたいである。
そして「確かに東牙は1番危ないわ。ダイレクトに心臓があるからね。」と、呟く。
「これを見る限り、まだ安心なのは佳恵さんと樅霞か……。」
「うん。だから姫狗と戦う場合は、この2人じゃないとだめかも……。」
東牙は紙を見て、まだ安全な2人に注目する。
語弊を生むかもしれないが、佳恵と樅霞の傷がつく部分は、まだ他の3人よりは良いと思ったからだ。
蓮花と楓は、頭部が致命傷なのと、女性的な部分で乳房と子宮があれなので安全候補に載せなかった。
そして、自分自身はどうかというと、まず心臓と言う時点で致命傷である。次に血のめぐりも致命傷に近いので、載せられなかった。
「え〜と……まだ2人が理解できてないから説明しておくわ……。」
蓮花は、未だに頭の中がクエスチョンマークの2人に、簡単で分かりやすい説明をする。
そして、やっと理解ができて話についていけるようになった。
「確かにそうですわ……私と樅霞さんが、妥当な所ですね」
「自分の星座に感謝しないとな。」
佳恵と樅霞はあっさりと了承する。
他の人に比べれば、何倍もマシだと思ったからだ。
「すまない。本来なら俺がやらないといけないのに……。」
「全く……あんたはそこが悪い癖よ?他人にものを頼む時は、すぐに謝る……でも仕方ないでしょ?偶々、生まれた時が悪かったんだからさ……こういうときは、よろしくお願いします。の一言でいいのよ!」
東牙が、申し訳なさそうに2人へものを頼むと、隣に居た蓮花がなぜか大声で注意する。
確かにそうだ、この男はいつも謝って事を終わらせている。
なので少女は、東牙を男らしくするためのアドバイスをしたのだ。
この言葉が意外にも響いたのか、東牙は少々顔をひきつらせながら「じゃあ……頼んだ……。」と、2人に言う。
「うふふ……任せてください。」
「任せろ。」
慣れない言葉を使う東牙を見ながら、2人は了解をする。
そしてこれを境に、ミーティングは終了した。
今の時間は20時半と、まだ寝るには早く、むしろ人によっては調子が出てくる時である。
しかし、この場に居た佳恵と楓は、明日に備えて、すぐさま自分の部屋に行き就寝したという。