複雑・ファジー小説
- Re: 復讐 5年の歳月を経て…… ( No.126 )
- 日時: 2011/07/10 19:31
- 名前: コーダ (ID: iEydDqYB)
「おーほっほっほ!」
「さぁ、どこからでもかかってきなさい。」
「いよいよ正念場か?」
「………………。」
「けっ……。」
「へぇ〜。」
一方、城のエントランス付近では諺瑚、姫狗、刻杜、楠美、狼鍍、矩樫が居たという。
今の時間帯は、丁度日が沈んで空の色がやや紫色になったくらい。
そろそろ東牙たちが来てもおかしくないと感じて、精鋭メンバーを一か所に集めたという。
もちろん、エントランスへ行く前の、第1、2、3の門には、大量の騎馬隊や竜騎士、警備員を配置する。
まさに、総戦力であった。
どうでもいいが、先日くらいに、各場所へ分かれて配置するという話はあったが、もうそんなの忘れている6人であった。
「これから、どうなるのかしらねぇ〜。」
姫狗は大量のカードをシャッフルしながら、そう呟く。
諺瑚は「おめぇ……そういえばどうやって戦うんだ?」と、質問する。
「う〜ん?ふふっ……運で戦うのよ。」
いまいち分からない返答に、諺瑚は「けっ……わけわからん奴め……。」と、呟く。
「実力なんて馬鹿らしいわ。それなら運で決着したほうが簡単で楽でしょ?」
姫狗はカードのシャッフルを止めて、刑事にそう強く言う。
すると諺瑚は懐から銃を出して「俺は実力主義だ……。」と、ぶっきらぼうに呟く。
「まぁまぁ……今はケンカしている場合じゃないですよ?」
刻杜は、2人の雰囲気がピリピリしていることに気が付き、真ん中に入ってとりあえず落ち着かせる。
「けっ……。」
「ふふっ……。」
諺瑚と姫狗はそう言って距離を置く。
刻杜は「やれやれ……。」と、小さく呟く。
————————————————————ドカン!
突然、大きな爆音が聞こえたという。
すると楠美は「あらぁ?もしかして、わたくしのトラップが作動したのでしょうか?」と、言う。
「てことは……。」
「…………来たな。」
矩樫と狼鍍はそう言って、颯爽とエントランスから出て行ったという。
これに続いて諺瑚も「おめぇらだけぬけがけか!?」と、叫びエントランスから出て行く。
「おーほっほっほ!わたくしはここでじっとしていますわ。」
「それが賢明ね。」
「……大丈夫でしょうか?」
残された刻杜、姫狗、楠美はエントランスで待機する。
○
「来ましたか……。」
一方、城の最上階では、窓から外の様子を見ていた夜尭が、一言呟いていたという。
「……東牙。そろそろ君を……この世から消すよ……。」
夜尭は腰にある剣を出しながら、恨みをこめて小さく言う。
そして、窓から離れ、この部屋から出て行ったという。