複雑・ファジー小説

Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.15 )
日時: 2011/06/25 21:27
名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)

「リーダーどうする?先の戦いは運が良かったかもしれねぇが、今度はやばいぞ?」
「ええ……確かにそうですわ……。」

 鞘嘉多反対関係者全員が、今後について会議をしていた。
 先ほどの戦いは、情けを食らって無事だったので、次はないと判断したのだ。
 佳恵は、本当にどうすればいいのか、心の中で焦っていた。

「こんなんじゃぁ、東牙に顔見せられねぇよ……。」
「(こういう時、東牙はどうするのかしら……。)大丈夫です……なんとかすれば……なんとか……。」

 佳恵から出る言葉が、どんどん追い詰められてるんだなと、周りの人でも分かるようになってきた。
 それを聴いてしまった鞘嘉多反対関係者の士気は、どんどん下がり始める。
 そして、それをさらに追い打ちをかけるかのように。

「リーダー!あっちの関係者が攻めてきました!」
「!?……皆さん、持ち場についてください!」

 佳恵の慌てた指示に、皆も慌てて持ち場に向かった。


                ○


「佐々凪殿!やはりあちらは、一時休戦して作戦を考えていたようです!」
「だろうな。守りの姿勢をして2時間も経っているときたら、もう作戦会議しているしか言えんよ。」

 どうやら、あっちが作戦会議していると読んだ九寺は、どんどん戦力を投下したという。

「さて……これで敗れてくれればいいのだが……。」
「佐々凪殿!何を言っているんですか?もう勝ったも同然じゃないですか!」

 九寺の言葉に関係者は前向きに返す。
 確かに、関係者の言っていることは正しく、このまま攻めていけば、勝てるくらいなのに、九寺は眉間にしわを寄せて心配していた。

「世の中何が起こるか分からない……だから、勝つまで絶対油断はするな……良いか?」
「は、はい!」

 この男、一筋縄ではいかないようだ。
 どんなに有利な状況でも、決して油断はせず、作戦を立てているのだから。

「(実際に、あちらのリーダーである佐奈観 佳恵の実力が分からないからな……だから油断するなというのだよ……。)」


                ○


「ん?なんだこのおびただしい数の殺気は……あっちか?」

 東牙は、だんだん殺気が強くなっていくのを感じて、どんどん先に進んでいった。
 そして、やっと殺気が出ている場所まで、わかる程度の距離に詰めていく。
 すると、東牙の目の前には、たくさんの人が左から右に向かっていくのを見たのだ。
 そして、一瞬の判断で「これは危ない。」と悟った東牙は、刀を抜き人ごみの中に入って行った。


                ○


「くっそぉ……あいつら、本気だしやがったな!」
「くっ……はぁ!……ついにこちらまで来てしまいましたか……。」

 佳恵は、流れ込んできた賛成関係者を、刀で一閃しながら状況判断をした。

「こりゃぁ、腹くくって特攻しかねぇか!?」
「それはだめですわ!決して諦めなければ希望はあります!」

 だが、この言葉は今の佳恵が言ってもあまり説得力はなかったという。
 すると、このセリフを言った途端、賛成関係者の1人が「おい!大至急戻れ!」と叫んで、なぜかこの場を引いたのだった。

「はぁ?なんだこりゃ……。」
「一体何が起こったのでしょうか?少し、私が見てきますわ……。」

 この突然の出来事に、疑問を感じた佳恵は、自ら様子を見に行った。
 他の反対関係者は、ただ唖然としているだけだったが。


                ○


「佐々凪殿!侵入者が我々の邪魔をしております!現在こちらに応援を呼んで、対処しているのですが手が全く回りません!」

「……だから言っただろ?最後まで、何が起こるか分からないと……侵入者の数は?」

 九寺は、こんな事態になっても、大変落ち着いていた。
 まるで、この状態が起こるのを想定しているかのように。

「えっと……1人です!」
「1人?……それはなにかの間違いではないのか?」
「いえ!本当に1人です!」

 賛成関係者の言葉に、少々動揺した九寺。
 しかし、すぐに息を整え、いつもの落ち着きに戻り。

「とりあえず、全員ここに戻れと伝えておけ……決して侵入者とは戦うな……と。」
「は、はい〜!」

 九寺は堂々と構えていたが、実は、心の中では若干の焦りがあった。
 どうして、侵入者は戦うのか?その侵入者の目的は?など、色々考えないと、作戦が立てられないからだ。





キャラ紹介…


名前:佐奈観 佳恵(さなみ かえ)

性別:女

種族:人間 

年齢:23歳 

血液型:A型

身長・体重:166cm・54kg

得意な戦術:刀