複雑・ファジー小説

Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.16 )
日時: 2011/06/25 21:58
名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)

「おいおい……いきなり逃げるのか?目の前に鞘嘉多の裏切り者が居るっていうのにな……。」

 東牙は、賛成関係者がどんどん逃げ出していくのに対して、あまり納得いかず、隙があれば、不意を突いて逃げる賛成関係者を、居合抜きしていた。
 しかし、気がつくと、辺りはもぬけの殻になっていて東牙は「このまま攻め入れるがどうする?」と誰も居ないのに質問した。
 たくさんの返り血を浴びているためか、今の東牙は純粋に怖かった。

「まぁ、いずれは攻め入るんだが……。」

 東牙は、メガネのレンズについた血を拭き取り、またかけなおして、賛成関係者が逃げた先をずっと見ていた。
 この間、何を考えているのかは、表情から見ても分からない。

「…………誰だ?先から気配を消して、俺の後ろを取ろうとしているのは!?」

 突然東牙は、自分の後ろに人が居る気配を察知して、ふと振り向き、威厳たっぷりにして、セリフを言った。
 すると、そこから出てきた人を見て、東牙は思わず絶句してしまったのだ。

 長い黒髪、目はけっこうタレていて、刀と和服が似合うのに、胸が大きすぎる勿体ない人。
 そう、東牙の後ろに居たのは、様子を見に来た佳恵だったのだ。
 あまりに突然すぎて、どうしていいかわからなかったが、しばらくして東牙が。

「佳恵……さん?もしかして佳恵さんですか!?」
「その声、わたくしが忘れるはずありません……東牙……東牙—!」

 5年ぶりの再会。
 東牙が確認の意味で「佳恵さん。」と呼ぶと佳恵は、嬉しさのあまり、東牙の元まで走り、大胆にもそこから抱きついたのだ。
 彼女の、大きくて柔らかい胸が深く当たり、全国の男性が羨ましがるシチュエーションに対して、東牙は、一瞬うろたえたが、状況が状況なので、引き離そうとする。
 しかし、なぜか佳恵は、涙まで流していたので、離そうにも離せなかったという。
 そして佳恵が、落ち着いた時には、彼女自身から離れて「す、すみませんでした……。」と先ほどの行動に対して謝った。
 東牙は「いや、別に良い……。」と言うべきか「全くだ……。」と、どちらを言えばいいのか、分からなかった。
 どちらを言っても、変な物が生まれてしまう為、ここは無言であたりを見回して、誤魔化したのだ。

「とりあえず、鞘嘉多の反対関係者が居るんですよね?まずはそこで現状分析しましょう。」
「はい!……後、別に良いですわよ?そんな丁寧に話さらなくても……東牙は、東牙らしい言葉でお話しください……。」

 この言葉に、東牙はおもわず拍子抜けしてしまった。
 だが、こんな状況にもかかわらず、東牙は笑って「じゃあ、そうするよ。」と言ったのだ。
 しかし、東牙がこんな状況で笑って返すことは絶対にあり得ない。
 そう、彼は佳恵と会った短時間で「もしかするといままで指揮をして追い詰められていたのか?」と、彼女の1つ1つの行動で、全てを判断したのだ。
 それで、こうやって接したわけである。


                ○


「お、おい……お前ら喜べ!東牙が来たぞ—!」

 反対関係者の1人が、東牙を見て無性に喜ぶ。
 それにつられて、皆は歓声をあげたという。

「……俺はそんなに重要な奴だったか?」
「はい。鞘嘉多を反対する真のリーダーなのですから……。」

 東牙は「そ、そうか。」と、色々複雑な気持ちで言った。
 そして「よし。今の状況を全て教えてくれ。」と、皆に命じた。


               ○


「ほう……とりあえずこちらが不利ということだな……。」
「こっちは40人なのに、あっちはその5倍は居るからなぁ……。」
「ん?その程度なのか?」

 東牙は拍子抜けした声で、皆に言った。
 この余裕は、どこから生まれるんだろうと、関係者の一部は思ったらしい。

「何か策でもあるのですか?東牙。」
「ふんっ……40人も居るなんて豪華すぎるぞ?任せておけ……全員今から俺が言う場所につけ……!」

 腕を組みながら、東牙は反対関係者1人1人に、持ち場を告げた。
 わざわざ個別に対応するのも、作戦の1つなのだろう。






 え〜…今日はここまでにします。コメントなどがあれば是非お待ちしておりますww

 冒頭に言った獣人とかはまだ登場しないのが悔しい…w

 それではまた〜!!