複雑・ファジー小説

Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.19 )
日時: 2011/06/26 00:56
名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)

「あ〜……もしもし……なんだ、佐々凪と行動していたやつらかぁ?用件は一体なんだ?はぁ!?本当かよそれ!?」

 同時刻。
 薄暗い部屋で、1人の男が、通信機かなにかで、連絡していると、突然、大声で驚いていた。
 どうやら、佐々凪という男と、関係がありそうだ。

「……何?東牙と名乗るものが、佐々凪を、今、殺しただとぉ?分かった。お前らも殺されないように、頑張るんだなぁ!」

 通信機を乱暴に、ガチャリと切り「所詮は、頭だけの四天王だったなぁ!」と、高笑いをし始めた。
 すると、ガチャッと、扉が開く音が聴こえ「どうした?なにかあったのか。」と、2人ほどの女性が、入ってきた。

「聞いてくれよぉ……佐々凪の奴が、今、くたばったんだぜぇ!?」
「何?あの佐々凪がか……一体、どれくらい腕が立つ者にやられたのだろうか……。」
「でも、四天王が1人倒れるなんて、けっこう大変よ?これは。」

 どうやら、この女性たちも、佐々凪と面識があるようだ。
 1人は、倒した人を気にしだし、1人は、心配をしていた。
 しかし男は「何を心配しているんだよぉ?俺たちが東牙を殺せばいいだろぉ!?」と、単刀直入に言う。
 すると1人の女性が「えっ!?九寺を倒したの、あの東牙!?」と、驚き、1人の女性は「むっ?なんだその者は?」と疑問に思った。

「あぁ、楓(かえで)は知らないんだよね……東牙って言う人は、昔、鞘嘉多の後継者だったのよね。」

 女性は、楓と名乗る者に、東牙について、簡単に説明した。
 すると「なぜ後継者が仲間を殺す?」と、また疑問に思ったが、男は「あいつは裏切ったんだよ。鞘嘉多からなぁ!」と、また簡単に説明した。

「なかなか気になる者だ……一戦してみたい所……。」
「おっ?なら次の派遣は楓で良いかぁ?姫狗(きく)?」

 男は、姫狗と名乗る女性に、了承を得ようとした。
 すると、あっさり「まぁ、良いよ。たぶん、楓くらいじゃないと太刀打ちできないし。」と言った。

「という事だ、頼んだぜぇ楓ぇ!」
「任せろ。」

 そして、部屋から楓は、出て行った。
 すると男は「獣の力で東牙は倒れるかぁ?」と笑いながら言った。

「意外と倒しそうじゃない?楓は、狼の血をひくんだし……いざとなったら本当に狼になるしね……。」
「いや、ありゃ犬って言った方がいいぜぇ……。」

 そして、男は立ち上がり、黙って部屋から出て行った。
 残された姫狗は、ふと、大事なことを思い出した。

「そういえば楓って、東牙がどんな姿しているか知っていたっけ?まぁ、良いよね……ジュピターに伸びる手?……これはちょっと怖いわね……。」

 姫狗は、重大な疑問を丸投げにして、ふと、ポケットからカードを取りだした。
 すると、それを見てぶつぶつ呟き、最後に「楓……心優しい人だからって、付いていっちゃだめよ……。」と、一言言って、部屋を出て行った。


                ○


「おっしゃぁ!やっとこの戦いに終止符をつけた!」
「皆さん……東牙に感謝してください……。」

 一方、北の都会地では、反対関係者の歓声が、大きく響いていた。
 なにせ、長かった戦いに、やっと、終止符をつけられたのだから。
 しかし、佳恵は心の底から、嬉しいとは思っていないらしい。

「ありゃ?肝心の東牙はどうしんだリーダー?」
「……ごめんなさい。気が付いたら、居なくなっていましたわ……。」

 佳恵は、なぜかその言葉を言うと、いきなり涙を流して、泣き崩れてしまった。
 これには、反対関係者も唖然として、あたふたしていた。


               ○


「おい。貴様何か知っているんだろ?残った四天王の居場所を……!」
「ひ—!分かりました!だから、刀を降ろしてください!」

 東牙は、賛成関係者の残党1人を脅して、情報を聞き出そうとしていた。
 もちろん、賛成関係者は、必死に情報を言うと約束して、命乞いをした。

「で?残りの四天王はどこだ?」
「えっとですね……ここから西に50kmくらい行ったところに、とても大きな町があるんですよ!そこの城下町に3人が居ます!詳しくは知りませんが、絶対に居ます!」

 賛成関係者は、あたふたしながら、東牙に情報を言った。
 抽象的なものだったが、情報を言ったことには変わりないため、無事に解放されたという。

「ちっ……また遠くまで歩くのか……だが、今度は本当に、人がたくさん住んでいる場所だろう……さて、とっとと行くか……。」

 東牙は、早速情報を頼りに、西へ向かって歩き出した。
 そして、都会街を出る手前で足を止め「すまない佳恵さん……もう俺は、昔のように可愛い子には戻れない……今はただ、復讐のために動く……男だ。」と、かなり意味深なことを呟き、再び足を動かした。

 歩いている途中、なぜか「やはり痛いな……。」と、わけわからないことを呟いていた東牙だったが。






 どんどんファンタジーとは思えないものが出てきますねぇ…まぁ、良いでしょうw