複雑・ファジー小説

Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.46 )
日時: 2011/06/21 23:33
名前: コーダ (ID: UXIe.98c)

           〜七目 衝撃の事実〜


「楓さん?私たちはこれからあの城に向かいます。」


 佳恵は楓が居る部屋でこれから城に行くという事を知らせた。

 だけどまだ精神的ダメージが大きいのか顔を下げて一言も喋らなかったという。


「そろそろ行きますけど……最後にこれだけは言いたい事とかありますか?」


 佳恵は最後に楓の言葉を聞きたかったという。

 すると顔を少し上げてぶつぶつと何かを呟いたという。

 もちろん佳恵は一言一句聞き逃さず一瞬のうちに頭の中に入れた。


「ではそのように伝えておきますわ……あっ、私からも一言いいでしょうか?……楓さんのその獣目。東牙は好きと言っていましたわ。」


 なぜかイジワルそうに佳恵は最後の言葉を言ってガチャリとそのまま部屋から出て行った。

 だが楓はまた無言になって色々と心の中で考えていたという。


                ○


「さて……行くとするか。」


 宿屋のエントランスで東牙は腰にかけてある月刀を見ながら蓮花と佳恵に言った。


「所であんたは楓の部屋に入って何をしてたのかしら?」

「うふふ……ちょっと乙女の秘密話ですわ。」


 佳恵の言葉に蓮花は「ふ〜ん。」とだけ呟いたが実は脳内ではとても気にしているようだ。

 すると佳恵は東牙の傍により耳元で何かぶつぶつと言った。


「そうか……楓……。」


 佳恵の言葉に東牙の目を一気にキリッとした。

 どうやら先程の言葉で何かを決心したようだ。


「ふふ…もう死ぬのは許されませんわよ?」

「分かってるよ佳恵さん……よし、行くぞ……!」


 東牙の掛け声に続き蓮花と佳恵は動いた。


                ○


「ここ何日か東牙が現れてないようですね……。」

「どうせもう諦めたんだろぉ?」

「橋鍍……お前は甘い……東牙がそう簡単に諦める男に見えるのか?」


 城の最上階で夜尭と橋鍍それに諺瑚が話をしていた。

 ここしばらく東牙が城の来なくなって少々怪しいと思った夜尭は2人を急遽ここに呼び作戦をたてようとしたらしい。

 橋鍍はたてるだけ無駄という意見に対して諺瑚は厳重にたてた方が良いという意見だった。


「1回目と2回目では被害が全く違う。次はもっとこちらに被害が来ると思いますよ橋鍍?」

「ちっ……わぁったよ……勝手にしやがれぇ……俺は好きにやらせてもらうからなぁ!!」

「ったく橋鍍は……ん?失礼……こちら鉈崎どうした?……何!?東牙達が第2門を通っただとぉ!?了解、すぐにそちらに向かう……。」


 諺瑚は突然の通信にちょっと焦りながらでた。

 そしていきなり隊員から東牙が来たという連絡を受けると乱暴に通信機を切って「だとよ橋鍍……。」と言ってそのまま走って部屋から出て行った。


「そろそろぉ……あいつらにピリオドを打たせないとなぁ……くっくっく……。」


 橋鍍は魔道書を持ちいきなり魔力を出し始めそのまま諺瑚の後を追った。

 気がつくと1人になっていた夜尭はただ黙っていたという。