複雑・ファジー小説
- Re: 復讐 5年の歳月を経て…… ( No.71 )
- 日時: 2011/06/25 19:15
- 名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)
「まぁ……そんなことがあったのですね……。」
「ふ〜ん……やるわねあんた。」
「なるほど。東牙が今持っている刀はここのなのか……。」
佳恵、蓮花、楓は樅霞の丁寧だけど、大雑把という矛盾めいた説明を聴いて、思わず一言呟いたという。 東牙はなぜか、4人から少し距離を置き、縁側で黙って本を読んでいたという。
「おっと……そういえば、東牙は家の次男坊を使ったんだろう?どうだ使い心地は?」
樅霞はふと、縁側に居る東牙に質問をする。
パタンと本を閉じ後ろを向いたまま「ああ、こいつはかなりのじゃじゃ馬で、むしろ俺が上手く扱えるかが心配なくらいすごい……。」と答えた。
「そうか……まぁ、家の次男坊はかなりやんちゃだからな……東牙くらいの男ではないと上手く扱えんだろう。」
メガネを光らせ、やはりといった顔をしながら、呟いた樅霞。
すると佳恵が「そういうやんちゃな男の子は、1回皮をひんむいてあげればよろしいですわよ?」と口に手を当てて東牙に言った。
「ほう……分かった。佳恵さんの言う通りにするよ。」
すんなり納得する東牙。
樅霞はこれに「ふふ。そういう考えもあったか。」と笑いながら佳恵を見た。
ちなみに、この会話に蓮花は「どうやったら皮がむけるのよ……。」と心の中で突っ込んでいたという。
「そういえば、この神社にはまだ2本の刀が存在すると言ったな……。」
「あら……それ、私も気になっていたのですわ。」
突然、佳恵と楓は、樅霞にこんな質問をした。
先程の説明で、柊神社には3本の刀が存在するという話が、とても気になっていたみたいだ。
「ふむ……確かにこの神社には後、長男坊の“雪刀(せっとう)”と三男坊の“花刀(かとう)”が居る……。」
「雪刀と花刀ですか……。」
「で、東牙が持っているのは月刀……。」
刀を使う楓と佳恵にとっては、気になる代物。
是非とも、この2本を自分達の目で、見てみたいという感情が、顔に現れていた。
「……確か佳恵と楓とやらは刀を使うと?」
「はい。5歳の頃から刀と一緒に生活してきましたわ。」
「私も生まれてすぐに刀と出会っていたな……。」
樅霞は眉間にしわを寄せて、目をつぶりながら何かを考えていた。
果たして、この2人には刀を使う素質があるのか、という思いが表情から見て分かる。
そして、すっと立ち上がり「賭けてみよう……2人とも私についてこい。」と威勢よく言いながらどこかに向かった。
佳恵と楓も、すっと立ち上がり樅霞についていったという。