複雑・ファジー小説
- Re: 復讐 5年の歳月を経て…… ( No.79 )
- 日時: 2011/06/26 10:51
- 名前: コーダ (ID: 46ePLi3X)
「す、すごい……まさかこんな場所があったなんて。」
「まさか、畳を外したら地下に続く階段があったなんて、思いもしませんでしたわ。」
「3本の刀は、柊神社の心臓と言っても過言じゃないからな……厳重に保管をしなければ、ならなくてこんな風になった。」
樅霞が、神社のある1室に2人を案内し、その部屋にある畳を、1畳はずすと、そこには、地下に続く下り階段があったという。
「足元に気をつけろ」と、いう樅霞の注意を聴き、3人は暗い階段を下って行った。
そして、階段を下りきると、今度は、薄暗い通路を歩くことになった。
地下らしく、周りの壁は全て石でできており、時折、天井からピチャンと水滴が、水たまりに落ちる音が、聴こえたという。
さらに、よく耳をすませると、上からザザーと、水が高いところから、絶えなく落ちつづける音が聴こえた。
通路は、進むほど暗くなるが、まだ歩くには、支障の出ない暗さで、目の前を見て歩いていた3人であった。
「先に言っておくが、家の刀は相手を選ぶ……誰が、どの刀になるかは、私にもわからんし、もしかしたら選ばれないかもしれない……それだけは覚えておいてくれないか?」
「分かりましたわ。」
「刀が持ち主を選ぶ……。」
佳恵と楓は、果たして、自分達は、刀に認められるのか?という気持ちで歩いた。
樅霞は「そういえば、東牙はすぐに認められたな……。」と、今更すぎる事を呟いていたという。
○
「誰か、ここにやってきたみたい。」
「そう……ですか……。」
縦5m、横5m、高さ5mの石でできた、部屋の中心に、2人の少女の姿があった。
1人は、天使のような翼と恰好をして、金髪のショートカットで、とても明るい様子だった。
1人は、悪魔のような翼と恰好をして、黒髪のストレートロングで、とても控え目そうだった。
どちらも、見た目は、10〜12歳くらいにしか見えず、顔はウリ二つである。
2人の手には、なぜか、2本の刀が握られており、まるで、誰かから守っているかのようにも見える。
「もしかして、この刀を奪いに来た賊かな?」
「でも……殺気は感じない……柊神社の、巫女かも……。」
天使のような少女は、禍々しい雰囲気を出して一言呟く。
悪魔のような少女は、神々しい雰囲気を出して一言呟く。
普通天使が、神々しくて、悪魔が、禍々しいのに、この2人は、なぜか間逆だった。
「どっちにしても、闇の試験が待っているわ!」
「どっちにしても……聖なる試験が待っている……。」