複雑・ファジー小説
- Re: 復讐 5年の歳月を経て…… ( No.98 )
- 日時: 2011/06/29 23:09
- 名前: コーダ (ID: rGbn2kVL)
「ねぇ、刑事さん。そんな物騒な物、ここに持ってこないでくれる?」
「セーフティはちゃんとしている。俺はただ、メンテナンスをしているだけだ……。」
その頃、城の最上階では夜尭、諺瑚、姫狗が椅子に座りながら話していた。
刑事は、新しく届いたライフルのメンテナンスをしていたという。
「では、これから作戦会議を始めたいと思います。」
「とりあえず、今の状況は最悪だぜ?俺の勘だが、早いとこ戦闘要員を入れないと終わりだな。」
「そうねぇ〜……どうするのかしら?」
最悪の状態を挽回する方法、今はそれだけを考える。
だが、やはり戦闘要員を増やすことしか良い方法が出なかったという。
「ほっほっほ……困っているようですな夜尭殿……。」
突然、部屋の外から響き渡る老人の声。
夜尭は「ようやく来ましたか。入ってください。」と、大声で言う。
扉が開くと、そこには5人の姿があった。
姫狗は「これで解決ねぇ〜。」と、胡散臭く呟く。
「解決?まさかの戦闘要員か?」
刑事は、まさかと思いつつ姫狗に質問する。
すると「その通〜り。各将軍が居れば鬼に金棒よぉ〜。」と、笑いながら諺瑚に言う。
「とりあえず、長旅御苦労さまです。疲れていると思いますが、今、状況が厳しいのでこのまま会議に参加してくれますか?」
夜尭は、疲れている5人に悪いと思いながら会議の参加を勧める。
すると「もちろんですじゃ。他の者もよろしいですな?」と、老人が仕切る。
そして、全員がテーブルに座り、緊迫した空気が流れる。
だが刑事は「失礼だが、最初に名前と所属を説明して欲しい。」と、いつもの癖が出てしまった。
「爺はついでみたいなものじゃ、だから名乗るほどではない、むしろこの将軍達について時間をかけて欲しいですの〜。」
老人は、自分は名乗る意味などないと言って4人の詳細を勧める。
諺瑚は「何かあるな。」と、心の中で呟き「では詳細を願う。」と、4人に言った。
「私は萩谷 刻杜(はぎや こくと)と言います。主に騎馬隊を引き入り、城の外を守る者です。」
鉄の鎧と甲冑を身につけた30代くらいの男。
茶色い髪は甲冑の邪魔にならないくらい短く、目は赤茶色で、腰には1本の剣があった。
その姿は、まさに城を守る騎士(パラディン)に見えた。
「俺は碕銛 矩樫(さきもり くがし)だ。主に飛竜隊を引き入り、城の全体を空中から守る騎士だ……言っている意味が分からなければ、後で見に来てくれ。」
軽い装備を身につけた20代後半くらいの男。
髪は黒く、刻杜よりは長くて、目は緑と黒を7:3にした色。
諺瑚は“飛竜隊”という言葉が、どういう物なのか分からず「では、後で見に行こう。」と、呟く。
「わたくしの名前は、菜那崎 楠美(ななさき くすみ)ですわ。主にトラップを作り、敵の侵入を防ぐ役目ですわよ。」
気品あふれる格好をして、とても戦闘要員とは思えない30代前半くらいの女。
髪の毛は茶色くて、腰まで長く、目はかなり青い。
諺瑚は「どこかのお譲様かと思いきや、立派な戦闘要員か……。」と、心の中で呟いた。
「俺は永俣 狼鍍(ながまた ろうと)だ……主に城の外部と内部を守る……見て分かる通り、俺は狼の獣人だ……。」
ふさふさした耳と尻尾を付け、和服を着た30代前半くらいの男獣人。
髪はけっこう灰色がかり、片方の目が隠れるくらい前髪は長く、後ろは首元まであり、目は充血したのかというくらい赤かった。
諺瑚は「東牙の所にも、似たような女が居たな……。」と、脳内で、あの時楓と戦闘した事を思い出しながら、心の中で呟く。
「なるほど……了解した。俺は鉈崎 諺瑚、見ての通り刑事をやっている。せいぜい、足を引っ張らないように努力する……。」
諺瑚は敬礼をして4人に自分の名前と職を言う。
そして「さて、お互いの自己紹介が終えたところで、本題に行きましょう。」と、夜尭が会議の始まりを合図した。