複雑・ファジー小説

Re: 【第二話突入】ヒューマノイド。 【参照六百突破ァ!?】 ( No.145 )
日時: 2011/07/11 21:45
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: .J9ei1gB)
参照: 誤字訂正 公開 ⇒ 後悔

「さすが、ってとこですかね」
「そうそう! こんなんで死ぬわけないよね、〝あの〟ライ君がさ!」
「……すげぇ」
「ったく、無駄な心配かけやがって!」

 立ち上がったライは、まだ少しぐらぐらとする頭を横に振りながら微笑した。

「別に、頼んでねぇけど」

 ——言わなくても良かったかもな。
 少し場の空気を悪くしたことを後悔しながら、ライはティアの顔を覗き込んだ。
 ティアの顔がゆがんで、瞼が開く。

「騒がしい」

 ティアが起き上がって、着物をはたいた。やはりけだるいようで、首を回したり、目をこすったりしている。

「おお、起きたか。あとは、シロだな」
「痛いわね……。で、敵は? てかあんた達誰?」
「そういえば聞いてなかった」
「知らないの?」
「おう」

 ティアは少し笑うと、自分たちを運んでくれた人か否かも分からない物体に、自己紹介を始めた。

「私はティア。で、こっちがライで」
「わたくしがシロです」

 〝そこで寝てるのがシロね〟と言う前に、言葉をさえぎられたティアは、驚いた表情でいつのまにか後ろに居たシロのほうを向いた。シロは相変わらず無表情で、頭にあいた穴さえも自分で治してあった。

「あら、いつの間に起きたの?」
「ライ様が似合わない台詞を吐いたときからです。似合わないとはいえ、かっこよかったと思いますよ」
「ライ、なんていったの?」
「秘密です」
「……シロちゃんにも、秘密なんてあるのねー……」

 〝似合わない〟といわれたことにふてくされて何も喋らないライ。
 くすくすと笑いながら、サイファーは仲間の紹介を始めた。

「私がサイファーで、こちらがレイ。その隣が海斗で、そこの小さいのがヒコスケです。あ、言い忘れていましたが、私達はヒューマノイドです。味方ですので、安心してください。」
「裏切ったときは殺せばいいんだな?」
「お好きに」

 サイファーたちは軽く頭を下げて挨拶をした。
 ティアが一番右端にいる、男の子——否、男の子型のアンドロイド、ヒコスケに向かって話しかけた。

「坊や、いくつ?」

 しゃがんで、ヒコスケに目線を合わせているティアに、ヒコスケは指で八を作った。

「八歳かぁ。可愛いね」
「ん!」
「おい、餓鬼にかまうな」
「悪いお兄さんに従っちゃ駄目よー」
「うん」

 ティアは立ち上がって、宜しくと頭を下げた。



 ライはまだ知らなかった。