複雑・ファジー小説

俺様の勇者伝説 第三十五話 ただの子供に ( No.163 )
日時: 2011/07/18 13:52
名前: ミロカロス13 (ID: VYCQ1KaR)

「っくしゅん!」
メリルがくしゃみをした。
ライシェルはやはりもだえてる。
「メリル、見事に風邪じゃのぅ。」
「・・・るせー。」
メリルは変声期がきていないため、声は高い。

声が高い→今は風邪→弱弱しい→女の子みたい

という方式ができあがる。ここ、テストに出る。
「本当に女子(おなご)みたいじゃのぅ。メリル。」
「ふぇ・・・。」
「(あぁぁぁああぁぁぁもう可愛いぃぃぃいいいい!)」

心の中で叫んでいるのはライシェルである。
この小説、少々ライシェルの性格を弄りすぎている。


やべ、自重しねぇと。(byミロカロス13)


「くすり・・・やだ・・・。」
メリルが呟いた。
それに反応してゼロが言う。
「なんじゃ?薬くらい飲めるんじゃなかったのかぇ?」
ゼロはメリルを見上げた。
メリルはシャドウの肩に乗っている。
「やだ・・・。」

「(なるほど。風邪になると甘えて、直ったころには忘れる、という体質じゃな。メリルらしい。)
わがまま言っておると、背が伸びなくなってしまうかもしれぬぞ?」

「・・・背・・・まだ、だいじょうぶ・・・。」
メリルはシャドウの頭に自分の頭を乗せながら呟く。
シャドウがようやく口をひらいた。
「メリル・・・。」
「なに・・・?」

「手を目に当てられると、進めないんだが・・・。」

「くすり・・・やだ・・・。」
「ゼロ、会話が成立しない。」
シャドウが困ったように言う。
ゼロが若干笑いながら、シャドウに言った。
「障害物があれば教えてやるから、メリルはそのままにしてやれ。」
「シャドウ、私がメリルを持とうか。」
ライシェルが決心したように言った。

「(メリルを撫でることなど私にはできない。ここはもう、持ってしまうほかはない!)」
「あぁ、大丈夫だ。俺は男だしな。メリルは軽い。」
「(断られた・・・。)」
ライシェルが残念そうだ。
「にしても、こうやっているところはただの子供なんじゃがなぁ・・・。」
「どうしてここまで性格が悪いのか・・・。」
「それは言えているな・・・。」

大人3人でなに考えてんだ。おい。

「と・・・もう町についたか。」
ゼロが言った。
すぐ先には、決して大きいとは言えないが、それなりの町がある。
「さて、メリルに自分で買わせるのは無理じゃろうな。
そのまま宿をとって、私達で薬を買ってこよう。」
ゼロがそう言うと、二人は頷いた。

「おれは・・・こどもじゃねぇ・・・!」
メリルの呟きは、シャドウにも届かなかった。



第三十五話 完