複雑・ファジー小説

俺様の勇者伝説 第三十八話 いつになく ( No.178 )
日時: 2011/07/23 17:13
名前: ミロカロス13 (ID: VYCQ1KaR)


小さな小さな村を出て、メリルたちは砂漠に出ていた。
「・・・おかしい。」
メリルが汗をたらしながら呟いた。
「なにがおかしいんじゃ?」
ゼロがメリルに聞く。
「シャドウの上なのに全然涼しくない・・・。」

メリルはシャドウに肩車をしてもらっていた。

「・・・メリル、シャドウが暑そうじゃぞ。」
「いや、問題ない。」
「シャドウ暑いの?じゃあ俺降りる。」
メリルはそう言い、ライシェルの上に乗った。
ライシェルはとっさに逃げれず、メリルを肩に乗せてしまった。
「・・・私はこのまま降ろさずに乗らせほうがいいのか?」
「ライシェル力つえー。ビクともしねーな。」
メリルが陽気に言った。
「ライシェル、そのガキは降ろしてもよいぞ。私がシバく。」
「ごめんライシェル、もうしない。」
メリルが風のごとくライシェルから降りた。


一方・・・

「なんで肩車させてもらってるんだろ・・・いいなぁ・・・。」
ラクは望遠鏡でメリルを見ながら歩いていた。
「暑いのかな?俺はそんなに暑くないけど・・・。」

それはお前がおかしいんだ。


空はもうオレンジに染まった頃・・・。

「町につかない・・・。」
メリルがどんよりとした顔で言った。
「夜の砂漠は凍え死ぬぞ。早くどこかにつかないものか・・・。」
シャドウが若干不安げに言った。
4人が困っていると・・・。

「僕、町を知っているよ?」

少女が突然現れた。
少女の外見は銀の髪に金の目、服装はラフに水色のワンピースだ。
年齢は7、8歳くらいに見える。
髪型は腰くらいまであり、触らずともさわり心地が良さそうだ。
「・・・知っているのかぇ?」
ゼロが警戒しながら言った。
「うん、知ってるよ。僕はその町に住んでいるから。今日はお散歩してたの。」
「なら連れてけ。」
メリルが言った。
「いいよ。」
少女が歩き出した。

そして数十分・・・

「ここが僕らの町、ライトだよ。」
少女の先にはとても大きな町。
少女はニッコリしながら言った。
「楽しんでいってね♪」
そう言うと、町の奥へと走りさって、ついには影も見えなくなった。
「・・・。」
メリルは無言で町の中へと足を急がせる。
ゼロ、ライシェル、シャドウもメリルに続いた。
「まずするべきことは、なにかわかっているな?」
メリルが言った。
ゼロ、ライシェル、シャドウが頷く。
そして4人同時に言った。

「「「「各自直ちに市場と宿屋を探せ!」」」」

四人は東西南北に一瞬にして分かれた。


そして、一時間後・・・・・・・

「保存食買ってきたぞ!」
メリルが叫ぶ。
「私は服の調達に行った!ボロボロなのはコイツに変えるぞ!」
ゼロも同じく叫ぶ。
「俺は宿屋を見つけた。今夜はそこに泊まろう!」
シャドウも叫んだ。
「私は救急セットだ!これでしばらくは持つ!」
ライシェルがいつに無くすごい形相で叫んだ。

それぞれが同じ待ち合わせ場所で言った。
4はまた無言でシャドウが見つけた宿屋へ向かって、手続きを終え、4人部屋へ移った。
「・・・疲れた。」
メリルがベッドに横たわりながら言った。
「俺も少々・・・。」
シャドウも言う。
そうとう疲れたのだろう、珍しくダルそうだ。
「私はそうでもないな。」
ゼロが言った。
そしてライシェルは・・・
「・・・。」
もう何も言えなくなるくらい、疲れ果てていた。

「ライシェル、大丈夫かぇ?もう寝るか。みんな、もう寝るぞ。
明日に備えるのじゃ。」

ゼロがそう言うと、メリル、シャドウ、ライシェルは無言で親指を立てて寝た。
ゼロも欠伸をして眠りに入ろうとした。
が・・・。

「今日もじゃぁ・・・。」
ゼロは愛しい愛しいライヒのことを考えて「その言い方やめんか」はい・・・。
「駄目じゃだめじゃ・・・メリルを守ることをライヒは望んでいたのじゃ・・・惚の字の者のことには逆らえん・・・!」

ゼロは頑張って眠りについた。


おまけ

「あーもうなんで俺が女装なんか・・・。」

実は夕方の少女はラクだったりする。

「もう、町がすぐ横にあったのに普通に通りすぎるんだからすごいよね・・・。」

ラクはそう言い、眠りについた。


第三十八話 完