複雑・ファジー小説
- Re: 俺様の勇者伝説 第三十九話 魔王の噂 ( No.187 )
- 日時: 2011/07/24 11:35
- 名前: ミロカロス13 (ID: VYCQ1KaR)
ここは、ある町の宿屋———。
「つまんない。」
メリルが呟いた。
するとゼロが怪訝な顔をしてメリルに言う。
「なんじゃ、つまらないとは。平和で良いじゃろう?」
「じゃあ、平和すぎてつまんない。」
メリルが言う。
ゼロは呆れて、部屋の扉を開けながら、
「ちょいと買い物に行ってくる。夕方には帰ってくるから、大人しくしているのじゃぞ。」
と言って部屋を出て行った。
「・・・ライシェルとシャドウも用でどっか行ったし、俺も出るか。」
メリルはそう言って自分の財布やらが入った猫型ポーチを首にぶら下げた。
服装も、もちろん私服である。
こういうときだけ、子供らしさがあるメリルだった。
「なんかねーかな・・・。」
メリルは菓子が売っている店に来ていた。
自分の財布と菓子の値段を見比べながら慎重に選ぶ。
するとふと、誰かが話している声がする。
「おい、知ってるか?この町の近辺に、魔王がいるって。」
「はぁ?なんだそりゃ。うそだろ?」
「いやいや、マジらしいんだよ。俺の知り合いが見たんだってよ。
しかも、女。」
「へ〜・・・魔王なんてここしばらく出なかったけどなぁ・・・。」
「・・・魔王?」
メリルはその話を聴いた瞬間ニヤけた。
そしてその日の夜・・・
「魔王がいるんだってよ。」
布団に寝転がりながら、メリルが呟いた。
「魔王かの?私もその噂じゃったら聞いたが・・・魔王がどうかしたかの?」
ゼロがメリルに言った。
メリルはニヤニヤしながら今日買っていた飴を取り出して、ゼロに言う。
「そいつを無理矢理仲間にして、モンスター退治する。」
「「「無理だろ。」」」
ゼロ、シャドウ、ライシェルが同時に言った。
「無謀すぎるぞ、メリル。」
「魔王=勇者の敵じゃ。RPGでもよくあるじゃろう?」
「まず、魔王の仲間がモンスターなのだから無理だ。」
ライシェル、ゼロ、シャドウの順序でそれぞれが言った。
するとメリルは頬をむぅと膨らまして、シャドウに言う。
「魔王は女だとも言っていた。」
「・・・加勢しよう。」
シャドウが無表情に言った。
するとゼロがすごい形相でシャドウに言う。
「まてまてまてまて。」
ライシェルは会話に参加しようともしない。
もう眠そうだ。
そしてゼロが続ける。
「何故メリルに賛同しておるのじゃ!女だとしても、私とライシェルがおるじゃろうが!」
ゼロが叩きつけるような勢いで叫ぶ。
「え、お前って女に入ってたの?ライシェルは認めるけど。」
メリルが真顔で言った。
「・・・。」
「だいたいゼロには女らしさが、えちょっとゼロ俺の間接はそっちには曲がらないいてぇぇえええええええええ!!」
メリルの悲痛な叫びが宿に虚しく響いた・・・。
第三十九話 完