複雑・ファジー小説

Re: 俺様の勇者伝説 第四十一話久しぶりの ( No.195 )
日時: 2011/07/25 05:50
名前: ミロカロス13 (ID: VYCQ1KaR)


「お久しぶり、モンスター。」
メリルが呟いた。
メリルの周りは気味の悪いモンスター。
ゼロもシャドウもライシェルもアリアもいない。
「さようなら、モンスター。」
メリルは呟き、剣を振りかざした。


これは数時間ほど前・・・

メリルたちはまだ抜けない森を歩いていた。
「さすがに疲れますね〜・・・。」
アリアが言った。
メリルもなんだか疲れていそうだ。
そんな二人を見て、ゼロが気を利かせたつもりだろうか、
「私、ちょっと水を持ってくるのじゃ!それまで待っていてくれんかの?」
と言い、走っていった。

そして、戻ってこなかった。

「あのバカ!バカ方向音痴!!」
メリルは半泣きになりながら叫んだ。
ライシェルも失笑している。
「ゼロさん・・・方向音痴だったんですね・・・。」
気落ちする三人を見て、シャドウが気を利かせたつもりだろうか、
「俺が探してこよう。」
と言い、走っていった。

そして、戻ってこなかった。

「あいつもバカ!あの方向音痴ぃ!」
メリルはマジ泣きが入りそうな勢いで叫んだ。
ライシェルは最早怒っている。
「シャドウさんも方向音痴だったんですね・・・。」
そんな二人を見て、ライシェルが気を利かせたつもりだろうか、
「私は方向音痴ではない。二人とも探してくる。」
と言い、走っていった。

そして(ry

「アイツだけは信用していたのに・・・。」
叫ぶ気力も無くなり、メリルは虚しく呟いた。
それを見て、アリアが戸惑う。
「だ、大丈夫ですよ!もしかしたら入れ違いになってて、一人ずつ帰ってくるかもしれないじゃないですかぁ!」
アリアがなんとか励まそうとするが、今日のメリルはネガティブだ。
「・・・無理だろ・・・。」

がさがさがさ

今まで変わらなかったナレーターに異変が!
「アリア、これは・・・。」
「モンスターです。構えてください。」
アリアがそう言うと、メリルは剣を構えた。
アリアは服の内側をごそごそ何かやっている。

「ぐぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!」

狼っぽいけどなんか犬っぽいモンスターが襲ってきた!
メリルは剣を振り上げようとしたが、モンスターの様子がおかしい。
モンスターはメリルではなく、アリアを狙っていた。
アリアはいまだ内側をごそごそしている。
武器でも探してんのか?おい。

「ありましたっ!・・・ってええ!?」
アリアが服の内側から拳銃と飴玉を取り出した瞬間、一番大きいモンスターが、身体に似合わずすごいスピードでアリアを連れ去ってしまった。

アリアが連れさらわれてすぐ、モンスターが集まり、冒頭のような状態に至る。

メリルは剣を振るい、ゆっくりだが一体一体確実に仕留めていく。

ザシュッ「がぁぁぁああああああ!!」

ザクッ「うぉぉぉぉおおおああああああ!!」

ザシュッ「おおおおおおおあああああああああ!」

グシャッ「がぅおおおおおあああああああ!!」

さまざまな斬る音が耳に入り、さまざまな死体が目を横切る。
「さようなら、さようなら。」
メリルはそれしか言わない。
ついに最後の一体となったときには、メリルの服は返り血まみれだった。


まだ他の者には、会えていない。



第四十一話 完