複雑・ファジー小説
- 俺様の勇者伝説 第四十二話 あぁどうしよう ( No.198 )
- 日時: 2011/07/25 20:49
- 名前: ミロカロス13 (ID: VYCQ1KaR)
「・・・汚い。いや、汚いのは血じゃなくて、俺自身か。」
メリルは呟き、剣の血を布で拭った。
「どうしよ、これ最近買ったやつじゃん。
汚すなって言われてたっけか。
あぁどうしよう、ゼロに怒られる。
アリアにも物は大事にしろって言われるかな。
あぁ、どうしよう。」
森の中でメリルの声が、虚しく響いた。
「あぁぁぁあぁぁぁあああどうしましょうぅぅう!」
アリアがある洞窟で一人楽しく叫んでいた。
「これじゃあ、某国擬人化漫画の普憫の人みたいじゃないですかぁ!」
アリアの叫び声が洞窟内で響く。
モンスターはいないようだ。
どうしよう、アリアが真の不憫になりそうで怖い。
「「「あ。」」」
その頃大人3人組みは、同じ場所に鉢合わせしていた。
「「「・・・・・・・・・・・・。」」」
沈黙が続く。
しばらくしてから、3人は薄笑いをしまた沈黙が続く。
「なぁ、メリルとアリアは・・・?」
「置きっぱ・・・だと・・・!?」
「それは少し・・・いや、かなりヤバいな。」
ゼロ、ライシェル、シャドウの順番で喋る。
そのうち3人は冷や汗を流し、口角もヒクヒクと動く。
3人同時に、同じ方向に走り出した。
モンスター達は、メリルに引き寄せられた。
だが、一番の目的は勿論魔王のアリアだ。
モンスターの親玉=魔王・アリアという方式が、自然と成り立つ。
しかし、当の本人はそんなこと知らず、質問を質問で返す程だった。
アリア、恐るべし。
「やっぱ、俺に引き寄せられた・・・のか?」
メリルは呟いた。
ここは森の中の下流の川。
メリルは上着とマントを脱ぎ、川で洗う。
川は真っ赤に染まり、川には見えなくなっている。
そんなことも気にせず、メリルは服を洗って近くの木の枝に干した。
「アリアって言う線もあるな・・・。
アリアを連れ去ったんだし・・・。つーか俺、アリアを助けなくていいのか?
・・・いっかぁ。魔王だし。護身術使えるって言ってたし。」
ことはそう上手くは運ばないぞ、メリル。
アリアは勿論、半泣き状態である。
第四十二話 完