複雑・ファジー小説

俺様の勇者伝説 第四十四話 メリルは ( No.228 )
日時: 2011/07/29 06:20
名前: ミロカロス13 (ID: VYCQ1KaR)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?681172&


「ん〜・・・ん〜・・・あぁ!!もうぅ・・・血がとれねぇよぅ・・・。」
いまだメリルは川と血に汚れた服の死闘(?)を繰り広げていた。
「普通の人間のはすぐ取れるから・・・モンスターのは取れにくいのか・・・?」

まず、誰とも合流していないことに気づいてくれ、メリル。





「とりあえず、メリルさんを探せばいいんですね!
よぉ〜し・・・がんばりますよぉ・・・!」
アリアはメリル探しに張り切っていた。
「・・・ん?なんじゃ、あれ。」
ゼロが見つけたモノは、腹を裂かれたモンスター、頭から割られたモンスターなど、とにかくモンスターの死体だらけだった。

「見ていて、あまりいいものではないな・・・。」
シャドウが顔をしかめながら呟いた。
ライシェルは無言で死体に近づいた。
「・・・この死体、つい最近のモノだ。」

「・・・・・・メリルかの?」

ゼロが言った。
「メリルが全部倒したのかも知れぬ。」
ゼロはそう言うと、鼻をヒクヒクさせる。
「匂いがするんじゃ・・・モンスターの血が先にあろう。
メリルが返り血を洗うために川を探して移動しているやも知れぬ。」
「だが、単にまだ生きていたモンスターがどこかに移動した可能性もあるのではないか?」
ゼロの言葉にシャドウが反応し、ゼロに問う。
「じゃが、メリルの可能性もある。
これから日も落ちるから、メリルと早く合流せねばならぬしのぅ。」
ゼロはそう言って、一歩を踏み出し後ろを振り向いた。

「さぁ、行くぞ。こっちじゃ。」

メリルと合流するまで、あと1時間———。









「なんで血がとれねぇんだよぉもうっ!!モンスターのせいだぁぁあ!!」
最早逆ギレ状態のメリルだった。
剣の血は綺麗に落とせたようだが、やはり服は落ちない。
「・・・はっ!そういえば、俺まだゼロ達と合流していない・・・!?」
メリルは慌てた。
だが。

「いいや。ゼロあたりが見つけてくれるし。」

他人を信用しすぎの、メリルだった・・・。








一方ゼロ達は、急いでいると言っておきながら普通にのんびり歩いていた。
「もうすぐじゃ。血の匂いが濃くなった。」
「そうか。」
さっきから話が続かないため、アリアが気まずくなっている。
「(だっ誰か・・・誰か何か話してくださいぃぃ!!)」
心の中で半泣きなアリアだった。

「!!メリルー!!いるのかぇ!?メリルー!」
ゼロが川に着いたとたん、メリルを呼ぶ。
すると、川の方から物音が。
「あ?」

メリルだった。

だが持っている服は水で濡れていて、しかも血の痕がたくさん残っている。
全員がどこの修羅場へ行ってきた、と思った。
「あ〜合流できたぁ・・・。」
メリルが安堵の言葉を零す。
「ん。」
メリルがゼロに服を差し出した。
「なんじゃ?あ、その前に言う事があるのぅ?」
ゼロが黒い笑みを浮べながら言った。
「どっちかってーと、お前らの方が言うことあるよな?
主に、俺とアリアに向けて。」
メリルがゼロと同じような黒い笑みを浮かべながら言った。
「うっ・・・!」
「(勝った。)ほら、言えよwww」

メリルはSだということを忘れるな。
しかも、ドがつくSだ。

「す、すまぬな・・・。それよりも、メリル!
モンスターを倒したのは主か!?」
ゼロが今にも掴みかからん勢いで言うと、メリルはきょとんとしながら言った。

「はぁ?なんのことだよ。」



時が止まる———。




第四十四話 完