複雑・ファジー小説
- 俺様の勇者伝説 第四十六話 今回アリアとライシェルは空気 ( No.263 )
- 日時: 2011/08/03 08:31
- 名前: ミロカロス13 (ID: VYCQ1KaR)
「知りたいでしょ?知りたいでしょ?
俺が教えてあげるよ。俺はメリルの友達だもん。」
ラクはそう言って、ケラケラと笑う。
「銀色のお姉さんも、ピンクのお姉さんも、青いお姉さんも、変な顔。
俺の言っていることが信じられない?」
あ、銀色のお姉さん。」
ラクが何か思い出したかのように、ゼロに問いかける。
「ライヒのお兄さんもいるけれど、それでも来ない?」
「っ!!!何を・・・何を知っておるのじゃ貴様ぁ!」
ゼロは赤い瞳をギラリと光らせながら言った。
ラクはまたケラケラと笑うと、すぐに笑うのを止め、無表情に言った。
「何って、随分な物言いだね。ずっと後をつけられているのも知らなかったくせいに。」
ラクはそう言って、無言で背を向くと、
「おいで。」
と言って歩き出した。
3人は警戒は解かずにラクの後を追った。
その頃シャドウは・・・。
「ふぅ・・・。あらかた倒せたな。」
割とのんびりしていた。
涼しい顔とは裏腹に、地面にはモンスターの血や死体が何個もある。
その中で茶を啜るほどだから、なにかしら経験があるのだろう。
「ゼロ達は大丈夫だろうか・・・。」
ゼロの心配をしていると、またモンスターが現れた。
「ぐぉぉぉおぉおおおおお!!」
「・・・客が来たな。」
シャドウは剣を抜いた。
「う・・・。」
ライヒは黒い瞳を瞬かせて意識を浮上させた。
「ここは・・・。」
周りを見ると、灰色ばかり。
コンクリートで作られた壁ばかりがあった。
探索をしようと起き上がろうとすると、身動きができない。
「縄が・・・。」
手首と足首に縄があって、起き上がることができなかった。
ふと横を見ると、そこには見慣れた茶の髪が見える。
「メリルッ!!」
それはメリルだった。
だがライヒとは違い、まだ起きていないのか、規則正しい息の音しか聞こえてこない。
「ぅ・・・ん・・・?あれ・・・どこ・・・。
ってライヒッ!」
メリルは起き上がって早々にライヒを見る。
「メリル。・・・ここがどこか知っていますか?」
知らないと分かっていながらも、ライヒはメリルに問うた。
「しらネェ。知ってるわけねーだろ、こんな気味の悪いところ。」
メリルがそう不機嫌そうに言うと、ライヒは苦笑しながらこういうところは変わっていない、と思う。
「なんで、お前がいんだよ。」
メリルが呟いた。
ライヒは驚きメリルのほうを見る。
「なんで、とは・・・?」
メリルはまた不機嫌そうに言う。
「だってライヒが死ぬ夢とかよく見るんだぜ。
正夢かと・・・。」
「貴方のそういう失礼なところもかわってないんですね。」
ライヒが若干怒りながら言うと、メリルの顔つきが変わる。
「おい、くるぞ。」
メリルが呟く。
ライヒも無言で頷いた。
現れたのは・・・
[・・・・・・おきてた。]
白い髪の青年(?)だった。
第四十六話 完