複雑・ファジー小説
- 俺様の勇者伝説 第四十九話 ダウト ( No.276 )
- 日時: 2011/08/04 11:39
- 名前: ミロカロス13 (ID: VYCQ1KaR)
「・・・・・・ごめんなさい。」
ダウトは正座をして謝っていた。
こんな状況になったのはほんの数十分前の事———。
「メリル!!」
扉が開いた瞬間、ゼロは真っ先にメリルの名を呼ぶ。
「ライヒッ!いるか!?」
ツカツカと入っていくと、そこには見慣れた茶の髪。
「メリル!!」
今度は安堵を込めてメリルの名を呼ぶ。
振り返ったメリルは涙目。(血まみれ)
メリルの前には謎の女。(血まみれ)
横には呆れた顔をしたライヒとシャドウ。(以下略)
なんだこの状況は。
「おい女、そこになおれ。」
真っ先にキレたのはライシェルだった。
「そうですね、最高の刑を受けていただきましょうか。」
そしてアリア。
「そうじゃのぅ・・・。」
最後にゼロが。
「女の子って不思議だね〜♪」
ラクは3人を見て喜んでいた。
「「「貴様(貴方)メリル(さん)に何をしたんだ?(したんじゃ)(したんですか?)」」」
「・・・・・・遺憾の意。」
そして女性3人に怒られたダウト。
先ほどの状況にいたった。
「これでも主人公で勇者のメリルを泣かすとは上等じゃのぅ?
表出ろ。」
「私のメリルを泣かすとは上等だな。今ここでフルボッコだ。
意味分かる?ボッコボッコにするんだよ。」
「メリルさん泣かしたらみんなが泣くんですよ?わかります?
貴方にも泣いていただきます。」
なんでお前らメリルを溺愛しているんだだとか色々ツッコミたいところだが、気にしないでおこう。
3人が言葉攻めをしていると、さすがに可哀想になったのかライヒが声をかける。
「あの、そこまでしなくてもいいのでは?」
そういうと、ゼロは顔を少し赤くして、
「そ、そうじゃな!2人とも、ここまでしておこうではないかの!」
と言った。
2人は、
「まぁ、ゼロが言うなら・・・。」
「やめておきましょうかね。」
ゼロが言うならとやめた。
「・・・・・・カンペは?」
ダウトが呟いた。
「・・・・・・おれのカンペはどこ?」
ダウトがまた涙目に呟いた。
するとメリルが無表情にその答えを言った。
「俺が壊した。」
「・・・・・・っ!!!なんでそんなことしたの!」
ダウトが泣きながら言うと、メリルはまた無表情に言った。
「なんでって、お前喋れるんだったらいらねーじゃん。」
当たり前、といったかんじでダウトに言う。
それでもダウトは泣きやまずにまた言った。
「おれのこえは・・・きみがわるいからカンペじゃないとだめ!」
そう言うと、ダウトはペタンと座り込んで泣きつづけた。
「お前の声が気味わりぃとか、お前が決めることじゃねーだろ。
別に人に言われたって、んなこと無視すりゃあいいじゃんか。」
メリルがそういうと、ダウトは顔を上げて、
「いいの・・・?」
と言った。
「いいんだよ。」
メリルがそう言うと、ダウトは涙を拭いて言った。
「うん、わかった!」
ひまわりのような笑顔で言った。
そして、またこう続けた。
「じゃあ、きょうからおれ、おまえらといっしょにいくっ!」
話が飛躍しすぎだ。
「あっはっはっはっは!」
ダウトがそう言った瞬間、ラクが笑い出した。
「・・・なにがおかしい。」
「ううん。おかしくない!面白いねぇ!
じゃあ、俺も一緒に行くよ!楽しそうだもの!」
だから、話が飛躍しすぎだ。
「勝手にいうなよ・・・。」
メリルが困った顔で言う。
「そうじゃ、金がかかるぞ!」
「そっちか。」
メリルはゼロ突っ込むと、ため息をはいて言った。
「しょうがねぇ、来い。」
「「やったぁぁ!!」」
二人はパァァァと笑顔になって喜ぶ。
「ちなみに何歳だよ。」
メリルが聞くと、二人は応えた。
「おれ14歳。」
ダウトが言う。
「俺は16歳かな。」
ラクが言う。
「そっかぁ・・・。」
メリルは年上ということに落ち込んだ。
「さぁ、屋敷からでよっか♪」
扉を開けた先は———。
第四十九話 完