複雑・ファジー小説

俺様の勇者伝説 第五十七話 寂しいんですね ( No.347 )
日時: 2011/08/23 15:10
名前: ミロカロス13 (ID: VYCQ1KaR)


「<私は><「08」。><好きに><呼んで下さい。>」
08と呼ばれた女性が言った。
「お前一人で俺らをやんの?無理じゃね?」
メリルが顔をしかめながら言う。
「<いいえ。><不可能なんて><もの><は><無いと><博士><は><言っていました。>」
機械音がその場に響く。
08は剣を構えるといった。

「<貴方たちを><粛清><します。>」









「あはははははははは!!壊そうね!壊れてしまえばこの部屋は綺麗な紅に染まるわ!あははははははははははははは!!」
少女は笑う。ただただ笑っていた。
「気味悪いですね。」
今まで喋っていなかったアリアが言う。
「壊す?そんなことをしていたら、貴方は一生一人じゃないですか。」
アリアが言うと、少女は眉をひそめた。
「なに?貴方から血の匂いがしないのは、もしかして一度も人を壊したことがないから?
あんなに楽しいのに?綺麗なのに?貴方が言っていることの意が・・・ワカラナイ。」
少女はそう言うと、アリアに襲い掛かる。


ドカッ


少女がアリアを押し倒し、何も無いところに右手を出した。
すると、銃だったものが剣に変わる。
「凄いでしょ?これ、私が作った魔法なの。
別の空間から剣や銃をとりだす。お金だって取れるわ。

この剣で、貴方の喉を切ってあげる。」

少女がそう言って、剣をアリアの首に当てる。
「・・・それで?」
アリアが冷静に言った。
「私を殺してどうするんですか?」
アリアが言うと、少女は眉間に皺を寄せ、糸が切れたかのように怒り出した。
「何よ!!貴方はなんで叫ばないの!?悲鳴を上げて、泣いて懇願しなさいよ!!!なんでよぉおお!!!」
少女が叫ぶ。
アリアは叫ぶ少女を押しのけ、立ち上がった。

「貴方は寂しいんですね。」

アリアが言った。
「え・・・?」
少女は叫ぶ声をやめてアリアを見る。
「貴方は一人が寂しいんですね。だから壊れちゃったんですね。
本当は・・・そんなこと、したくないはずなのに。」
アリアがそう言い放つ。
「そんなこと・・・無いわよ・・・。」

「いいえ、そうですよ。」

「どこにそんな根拠あるのよ!」

「貴方は殺した相手をどこかにおいています。」

「なんで・・・!」

「みんなも気づいています。腐敗臭がします。」

「そんな・・・!」

「そして一番臭いがするのは・・・あそこ。」


アリアが指を指したところは、白いベッドがあった。
その横には真っ白で大きな箱がある。
「なんで、こんなことをするんですか?」
アリアがそう尋ねると、少女はその場にうずくまってしまった。
「アリア・・・大丈夫か?」
シャドウが声をかけた。
「大丈夫じゃないですよ。怖いです。本当はあの子と喋りたくないです。」
「・・・ならなんで。」
ダウトが言う。

「あの子は怖いけれど、私はもっと恐ろしい存在だから・・・。」

アリアはそう言って俯いた。
彼女は魔王アリア。姿云々よりも、それは紛れも無く魔王なのだ。
当然、人から拒否されることが多かっただろう。
「青いお姉さんはそんなに気にする事ないと思うけど?」
ラクが言った。
「俺のほうがもっと恐ろしい。」

たしかに彼はそう言った。

「え?それどういう意味で・・・。」
アリアがラクに聞こうとすると、少女が動きを見せた。
「壊す・・・決めた・・・藍色は一番むごい殺し方・・・。
銀は二番目の殺し方、黒は三番目の殺し方、白は四番目の殺し方ぁ!!!」
少女はそう言って、右手と左手を出す。
すると、右腕にギロチンの刃のようなもの、左手にチェーンソーが現れた。

「壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊すぅ!!」

そう言って4人に襲い掛かった。


最初に壊されたのは誰? 


第五十七話 完