複雑・ファジー小説

Re: ゴッド・コードウルフ。 ( No.14 )
日時: 2011/07/29 19:40
名前: 龍宮ココロ (ID: 6xS.mLQu)
参照: http://yaplog.jp/yukimura1827/

何かしらと暇な時間が少しずつ過ぎていく。
俺はオレンジジュースを飲み終わってしまい暇だから寝ようとしたがこれが寝れなくてしょうがない。
「あぁ……こんなことになるんだったら、朝っぱらから寝るんじゃなかった…」としばしば後悔した。
本当に寝つきが悪くて眠れない。
ふと、ヘッドホンを返してから結構経って巡兄の姿を見るが—— やはりゲームに熱中のご様子。
さっきから一度もその場から動こうとしない、本当にその場でよくジッとしてられる。
俺だったら凄く無理だね、長期戦でその場から動こうとしないのは。
俺は少し腕を回すと骨が少し呻るように鳴る。
俺は最近肩が凝っているから、少し腕を回すだけで骨が呻るように鳴ってきた。
最近の学生生活の疲れや依頼の疲れもあるんだろうね。
少しため息を吐いた(ついた)後、スッと巡兄の所に寄るとこちらに気付いて口を開いた。
「あ、王我さん…暇ですか?」
「あぁー…うん、まぁ」
「そうなんですか…」とヘッドホンをしながら答える巡兄に少し違和感がある。
別に俺が頷いた訳でもなく、表情を変えた訳でなくただの間抜け顔っぽい顔で答えただけなのによく俺の言葉を理解しているな。
……実は巡兄は俺の知らぬ間に読唇術を極めていたとか?
そんな能力があったら俺にも教えて欲しいほどだよ、そしたら音楽聴きながら話せるし。
そんな事を頭の中で思っていた時、巡兄が少し苦笑して優しく「別にそんな能力ありませんからね…?」と言ってくる。
…ヤバイよ、マジで見透かされてるよ俺の考え。
平常に保つように少し苦笑して「そう思ってないよ、巡兄」と返した。
巡兄は少しクスクスって笑ったけどね。
…うん、見透かされているな完全に。
そう思っている俺にスッと巡兄はゲーム機を差し出す。
「——?」
行き成り差し出されたため良く理解出来ない俺。
ぶっつけ本番で頭が真っ白になって思考回路が止まった…感じ。
「王我さんに貸してあげます…格闘ゲーム…」
優しく巡兄は微笑んだ。
あぁ、そっか…俺今暇だったから巡兄が貸してあげるって言っているんだ。
でも格闘ゲームって…巡兄に似合わないんだけど。
そう深く思いながら俺はゲーム機を受け取り「ありがとう」と言っておいた。
だって…ねぇ、ちゃんと言葉は伝えないといけないし。
一応俺も—— 人間だし。
ソファにまた行き、ドスッと勢いよく座る。
さっき渡されたゲーム機の電源を入れるとすぐに格闘ゲームのタイトルになり、やり方の説明を見て覚えゲームを始めるのだが——。

「……難くないか、これ?」

初回からこのゲームのコンピュータの相手に体力を半分削られる。
うわ、マジで死にそうだわ…俺のキャラクター。
少し冷や汗をかきながら守って攻撃の攻防戦をするが—— すぐに負けた。

「あ、あぁぁぁっ… !!……ま、負けた」

久々にゲームをやったがやっぱり慣れない。
再挑戦してまたやり始めたがやはり強すぎて勝てない。
「…なんだよこれ。強くない…か?」
何回も何回も再挑戦、だけども一度も勝てない。
今日は運がないな俺。
そう思っていても久々だし折角巡兄が貸してくれた物だ。
何回も再挑戦しながら俺は思う。

      ——“時間潰しには、丁度良いか”ってね——

      第3話「Game」