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複雑・ファジー小説
- Re: 光の堕天使 〜聖なる力を持つ堕天使の物語〜 ( No.203 )
- 日時: 2012/04/13 20:34
- 名前: 水月◇51watelmon16 (ID: U2d6Cmja)
アリーが去って行った後、ルエはペンダントを使って堕天使になった。
その後、扉の入り口の所まで歩き、その扉のドアノブに手をかけた。
だが、それを開けて出て行こうとする直前に、ふと振り返る。
そこに、アリーの姿はなかった。
ルエは少し悲しい表情をして、俯く。
本当は、彼女だって辛いのだろう。
偽りの姿のまま、親友や他の人達と接するのは。
母親に言われた事が、彼女の頭の中でぐるぐる回っていた。
ルエは、自分の悲しみや辛さを打ち消すかのように顔を振ると、扉を開けた。
そして、扉を開けたまま出て行った。
その頃、アリーはルエの帰りを待っていた。
食事を食べず、ただ帰りを待っていた。
(いつ帰るんだろう・・・。)
心配になったアリーは、ルエの様子を見に出かけて行った。
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ルエは、森の中を一心不乱に走っていた。
やるべき事をするために。
それを終えたら、アリーのもとに帰るために。
やがて、ルエは一軒の家にたどり着いた。
「・・・ここだ。」
ルエはそう呟くと、目を閉じて意識を集中させる。
すると、どこからか蔓が現れてその家を取り囲む。
ルエは、意識を集中させるのを終えて目を開ける。
そこには、蔓でいっぱいになった家があった。
「しばらく、この家を守っててくれ。」
ルエはドーム状になった蔓にそう言うと、寮に戻るために早足で去って行った。
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