複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 〜聖なる力を持つ堕天使の物語〜 ( No.210 )
日時: 2011/09/23 22:25
名前: 水月◇51watelmoon16 (ID: SuDcL78Z)

ルエはペンダントを使って天使になり、森の中をしばらく歩くとアリーが走ってきた。

どうやら、ルエを迎えに行こうとしたところらしい。

「遅いよ! これだけ待ってるのに来ないなんて、何かあったかと思って心配したんだから!!」

「ごめんごめん。次からは早めに帰るから。」

ルエが謝ると、アリーはにっこり笑って「いいよ!」と言い、早く帰ろうと促す。

ルエは何も言わずに頷くと、アリーの後を追った。

すると、

ガサッ。

茂みが揺れる音がした。

二人が驚いて振り返ると、そこから誰かが飛び出して来た。

その人は、少しクセのあるピンクブロンドの髪を右肩にたらし、金色の瞳をしている女性だった。

「あ、あなたは一体誰なんですか?」

ルエは恐る恐るその女性に問うた。
すると、その女性は簡単に自己紹介をした。

「私はライシェル。お前たちに今明かせるのはそれだけだ。」

「私はルエです。ところで、一体何の用ですか? ここは天使界です。
普通、あなたのような生きている人間がここに来れるはずがありません。」

ルエがそう言うと、ライシェルは逆にルエに問うた。

「ここに少年が来なかったか? いつも一緒にいるんだが、突然いなくなったんだ。」

ルエはアリーと顔を見合わせた後、小さく顔を横に振る。

つまり、「見ていない」という意味だ。

ライシェルは、「そうか。」と言った後、そのまま走り去って行った。