複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 〜聖なる力を持つ堕天使の物語〜 ( No.216 )
日時: 2011/12/10 19:01
名前: 水月◇51watelmoon16 (ID: SuDcL78Z)

ライシェルが去った後、ルエとアリーは寮に帰ろうとした。が、

「—っ!!」

突然ルエが何かの気配を感じ、森の遠くをじっと見つめる。

「ルエ? どうかしたの?」

アリーがルエにそう問うと、ルエは我に返った。
そして、「なんでもないよ。先に行ってて。」と言った。

「じゃあ、先に行ってるね。でも早めに帰ってきてよ。」

アリーはそう言うと、先に寮に戻って行った。

彼女が去った後、ルエはペンダントを使って堕天使の姿に変わる。

そして、誰もいない森に向かって低い声で言った。

「誰かいるんだろう? 姿を見せろ。」

すると、

「ばれてたか。まさか、気配を感じるとは思わなかった。」

という声がしたと思ったら、20代くらいの男が五人出てきた。
その男たちは皆、まるでルエを囲むような隊形で立っている。

「姿を知ったのなら本当は去ってもらいたいところだけど、今回はそうはいかないな。」

(……この感じは……殺気か……?)

ルエがそう感じて男を見ると、その男はにやりと笑みを浮かべてこう言った。

「だってお前は、俺たちのターゲットなんだからなぁ!!」

そう言った途端、男たちはいきなりルエに襲い掛かってきた。

ルエは何とか男たちの襲撃をかわすと、遠くへ逃げようとしたが襲ってきた男に腕をつかまれた。

そして、そのまま引っ張られ、男の腕で思い切り首を絞められる。

「……う……ぁ……。」

首を絞められ、思うように呼吸ができないルエを、男は躊躇いもなく絞めあげる。

ルエは首を絞められながらも、男の腕を思い切り噛んだ。

ガッ!

「うわ!!」

男がひるみ、絞める腕をゆるめた隙にルエはその腕を払いのけ、何とか脱出した。

「うっ!! ゲホ、ゴホ!!」

首を絞められたため、激しく咳き込むルエ。

だが、呼吸を整えている暇はなく、男たちは次々にルエに襲い掛かって来る。