複雑・ファジー小説
- Re: 光の堕天使 〜聖なる力を持つ堕天使の物語〜 ( No.220 )
- 日時: 2011/12/10 18:59
- 名前: 水月◇51watelmoon16 (ID: SuDcL78Z)
ルエは男たちとの距離を取るために後ろに下がった。が、
「甘いぜ!!」
という声がしたかと思ったら、一人の男がいつの間にかルエの後ろにいた。
その声に驚いたルエは、思わず後ろを振り返る。
男はにやりと笑みを浮かべると、ルエの頬を思い切り殴った。
ガッ!!
「うぐぅ!!」
ルエはその痛みにうめき声をあげ、顔をゆがめながらも少し後ろに下がる。が、その先にも男がいた。
その男はルエの腕をひっつかみ、自分の方へと向けさせる。
そして、今度はルエの腹を思い切り蹴った。
ドゴッ!!
「ぐっ!!」
鈍い音と同時に、強い痛みがはしった。
ルエは吹っ飛ばされ、地面に転がり落ちる。その後、腹を押さえてうずくまる。
だが、男たちはそんなルエを躊躇なく殴る、蹴るの暴行を繰り返す。
ドゴッ!!
ドガッ!!
「がはっ!!」
殴られ、蹴られる度にルエはうめき声をあげ、苦痛に顔をゆがめる。
顔や腕には痣ができ、口の端からは血が出ていた。
すると、一人の男がルエの顔を掴み、上へと向けさせる。
そして、彼女に向かってこう言った。
「ちょっと交渉をしないか? もしお前がここから出ていくのなら、暴行をやめて見逃してやる。
嫌なら、お前が気絶するまで殴り続ける。これでどうだ?」
「……だ……れが……お前たち……なんかの……交渉……に……の……るか……。……ゲホッ!!」
ルエは口から血を吐きながら、交渉することを否定する。
全身に傷ができ、とても痛々しい姿になっていても、ルエは必死に言葉を発した。
だが、今の彼女には喋ることさえ辛くなっていた。
そんなルエの言葉を聞いて、男はにやりと笑うとこう言った。
「去る気は無いのか。じゃあ、思い切りやってもいいんだな。」
そう言った後、その男はいつの間にか手に持っていた木の棒を、思い切りルエの頭に振り下ろした。
ドゴッ!!
「…がっ!!」
木の棒で殴られ、ルエの意識が一瞬とぶ。
そして、そのまま地面に倒れた。
「……気絶したか。」
男はそう呟くと、持っていた木の棒を放り投げる。
そして、気絶しているルエの左腕と右足を思い切り蹴った。
バキッ!!
と、嫌な音がした。
蹴られたルエの左腕と右足は、骨折していた。
「……これでいいだろう。」
その男はそう呟くと、他の男たちと共に去って行った。