複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 〜聖なる力を持つ堕天使の物語〜 ( No.225 )
日時: 2011/12/11 12:31
名前: 水月◇51watelmoon16 (ID: SuDcL78Z)

———第三章 「偽りの姿」———

ルエは病院に運ばれ、緊急手術が行われた。

ライ、ポポ、そしてソーヌの三人は、全力を尽くして彼女の体を治す。
彼女の容態は、殴る蹴るの暴行によって内臓が潰れ、出血がひどくなっていた。

三人は素早く出血を止め、ルエの内臓を針と糸で縫い合わせる。
そして、彼女の体にもそれらで縫い合わせた。

二時間にわたる手術を終えた三人は、ルエを病院の個室の部屋まで運んでベッドに寝かせると、彼女の右腕に点滴をつけ、口に酸素マスクをはめる。

そして、彼女にシーツをかけると、部屋を出て行った。

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「ソーヌ、ポポ……。」

ライは二人の名前を呼び、まっすぐに彼女たちを見つめる。
二人は、悲しみを表した瞳でライを見つめている。
重苦しい空気が、三人を包んだ。

やがて、ライが言った言葉がこの空気を打ち破った。

「あの子のこと……覚えていますよね?」

「ええ、覚えています……。確かハーミア家の……。」

「何であの子が……。」

ポポは悔しそうに呟き、ギュッと手を握り締める。

「実は、見たんですよ……。」

「何をですか?」

ソーヌは、ライが何を見たのかが分からず、ライに問う。

「まさか……。」

ポポが、何かを恐れたような表情をしてライを見ると、彼は頷きゆっくりと重い口を開いた。