複雑・ファジー小説
- Re: 光の堕天使 キャラクター投票開始!! ( No.242 )
- 日時: 2011/11/29 13:22
- 名前: 水月◇51watelmoon16 (ID: Wwp0q0mP)
「まだ何か用があるの? さっさと済ませて。」
「っ……!!」
ルエは立ち上がり、震える右手を左手で押さえてこう言った。
「……確かに、私は堕天使だ。その事は認める。
だが、私は不吉の象徴ではないし、殺人鬼でもない。」
「じゃあルエ、あなたは人間を殺してないってこと?」
アリーがそう問うと、ルエは頷いた。
すると、
「……ククククク……あっはははははははは!!」
アリーは壊れたように笑い出した。
「な、何が可笑しい!?」
ルエが驚いてそう問うと、アリーはにやりと笑ってこう言った。
「ルエ、あなたバカなの? 堕天使であっても殺人鬼ではないし、不吉の象徴でもないですって? 笑わせてくれるじゃない。
あなたは殺人を犯した不吉の象徴。罪のない人間を殺した証拠だってあるんだよ。
私が人間界を訪れた時、血まみれで倒れている人がいてね。
誰にやられたのか聞いたら、その人はこう言ったの。
『光輪の左側に、悪魔の角が生えている天使に。』ってね。」
「ま、待て!! それだけじゃ、私がその人を殺したっていう証拠にはならないはずだ!!」
「残念。まだ続きがあったのよ。『そいつは、右目が赤く、悪魔の羽の模様があって傷跡がついてた。左目は普通の黒だった。俺を見てにやりと笑ったあと、翼を広げて飛んで行ったんだ。』ってね。
つまり、あなたが殺したってことになるのよ!!」
アリーはそう言うと、また笑った。
「……アリー!!」
ルエは光の魔法で剣を作ると、その剣に水を纏わせてアリーに向かって走って行く。
(怒りで我を忘れているようね……。)
アリーは心中で呟くと、ルエの攻撃を容易に受け止めた。
しかも、片手で。
「なっ……!?」
ルエが驚いて目を見開くと、アリーはため息をついてこう言った。
「怒りに身を任せて私に攻撃してるのね。でもそんな攻撃、私には通じないよ!!」
すると、アリーの全身から風の波動が放たれ、ルエはその波動に耐え切れず、吹っ飛ばされる。
そしてそのまま壁に激突し、地面に叩きつけられた。
「うっ……。」
その痛みに、ルエは顔をゆがめる。
そんなルエを見て、アリーは呆れたような表情を見せるとこう言った。
「さすがに通常時より攻撃が上がっている事は、私でも確認できたわ。でもそんな事で、あなたが殺人を犯したという事実は消されはしないわ。
ま、せいぜいここで自らの行いを後悔することね。」
そう言ったアリーは勝ち誇ったような笑みを見せ、ホルンたちのもとへ歩いて行く。
ルエは震える右手を握りしめ、その手を床に叩きつける。
そして、心中でこう呟いた。
(……憎い!! ……憎い!! アリーも、ホルンたちも!!
私は何もしてないのに、人間を殺していないのに受け入れてくれないなんて……。……許せない!!! もう誰も信じない!!! あいつらに『復讐』してやる!!!)
すると、ルエの心の声が届いたのか、若い女性の声がルエの頭の中に響いた。
『その復讐、手伝ってあげましょうか?』——と。
ルエは知らなかった。この声が『悪魔の声』であるという事に。