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—水の空間—

「……ルエ?」

アリーが倒れたルエに呼びかけるが、ルエは一切の反応を見せない。
ただ、黒い炎のようなものが、彼女の全身に纏わりついていた。

しばらくして、ルエは『起き上がった』。
—偽りの姿で—

「ルエ!?　目を覚ましたんだね!!」

アリーが喜んで駆け寄るが、ルエは反応を示さずに小さな声で呟いた。

『……殺す……。』

「?　……ルエ……?」

その声を聞いたアリーは立ち止まり、ルエの名を呼ぶ。
ルエはゆっくりと顔をあげると、もう一度言った。

『……殺す……。』——と。

そんなルエの目には、殺気が放たれていた。

(この殺気……尋常じゃない……。……本当に、ルエなの……?)

アリーが心中でそう呟いて、ルエを見つめる。

全身が真っ黒に染まり、さらに赤い瞳をしているルエの姿は、まさに『悪魔』だった。

すると、ルエはアリーをしばらく見つめると、翼を広げて飛んだ。

「ルエ!?　どこ行くの!?」

アリーがそう言ってルエを追った先には…

—恐怖で動けないホルンがいた。—

(まさか、実の妹を殺す気……!?)

そう思ったアリーの予想は、的中していた。

ルエは漆黒の剣に闇の力を纏わせると、その剣で動けないホルンを刺した。