複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 〜聖なる力を持つ者〜 ( No.331 )
日時: 2011/12/17 19:04
名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)


「……ライさん?」

ルエが呼びかけると、ライはふと我に返り、

「あ、いえ……。何でもありません。」

と言った。

「あの、いったいどうしたんですか? 窓の景色を眺めたりして……。」

「……ちょっと、考え事をしていたんですよ。」

「……考え事?」

ルエは、その言葉に首を傾げる。
そんなルエを見たライは、また窓の景色を見ながら言った。

「……あの男たちは……何の目的で、ルエさんをこんな目にあわせたのかが、気になって仕方がないんです。」

「……。」

「……こんなことを話しても、意味がないですね。
ルエさん……今は、安静になってください。それでは。」

ライはそう言うと、椅子から立ち上がり、ルエが入院している部屋から出て行った。
ルエは、さっき彼が言った言葉を思い出していた。

—『……あの男たちは……何の目的で、ルエさんをこんな目にあわせたのかが、気になって仕方がないんです。』—

「……『私に関係がある事』ですよ。……ライさん。」

一人残された部屋で、ルエはそう呟いた。