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複雑・ファジー小説
- Re: 光の堕天使 ( No.35 )
- 日時: 2011/07/25 23:14
- 名前: 水月 (ID: SuDcL78Z)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22124
「・・・う・・・ぐ・・・・ひぐっ・・・。」
病院の待合室で泣いているハープ。親として、大切なわが子であるルエと、一緒に時を過ごしてきた。だがルエは、聖なる力を持つ堕天使で、しかも悪魔族に狙われているという真実を知り、愕然とし、涙が止まらなくなっていた。そこへ
「・・・ハープさん。」
という声がした。涙で濡れている顔をあげると、ソーヌがいた。
彼女は悲しげな黒い瞳で、ハープを見つめている。
「・・・これを・・・。」
ソーヌはハープの隣に座ると、何かをハープに渡した。
ハープがその手を広げると、黄色の木の実があった。
「これは・・・?」
「これは、聖なる力を封印する木の実です。」
「この木の実が・・・聖なる力を封印するんですか?・・・なんで?」
「聖なる力は、悲しみや憎しみなどの『負の感情』が爆発したり、誰かを守りたい時に爆発することがあります。この木の実を食べれば、力を封印できる『呪文』が使えます。ただ・・・。」
と言いかけて、ソーヌは目を伏せる。
「ただ・・・?」
ハープは、ソーヌの言いたいことが気になり聞き返す。すると、難しい顔ををして、ソーヌは重い口を開いた。
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