複雑・ファジー小説

光の堕天使 クリスマス編 ( No.350 )
日時: 2011/12/28 18:22
名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)


「千香じゃないか! 久しぶりだなぁ!!」

「ルエも久しぶりやな!! 元気にしとった?」

千香とルエが楽しそうに会話をしていると、ココアが遠慮がちに声をかけた。

「あの……大天使様。この人は?」

「あぁ、ココアにはまだ紹介してなかったな。
こいつは千香。私のパートナーだ。」

「初めまして、千香です。」

「あ、初めまして。ココアです。」

「ところで、なんでルエ達はここへ?」

「久しぶりに、人間界を訪れたいと思ってな。
お前にも会いたいし……。」

「へぇ……。
……さっきから気になってたんやけど、アリー、どないしたん?」

そう言った千香が指を指した先には、ブツブツ言っているアリーがいた。

「リア充は氏ね……。」

「あいつは放っておいた方がいいぞ、千香。」

「なんで? 何かあったん?」

「……何でもない。」

「そうなんや。」

ルエ達は、ブツブツ言っているアリーを無視し、歩き始めた。
すると、千香がこんなことを言った。

「ところで、ルエは何しに来たん?」

「あー、そういえば……。考えてなかったな……。」

「そうなん!? じゃあ、一緒にクリスマスプレゼントを買いに行かへんか!?」

「……クリスマスプレゼント?」

聞きなれない用語に、ルエは首を傾げる。
そんなルエに、ココアが説明をしてくれた。

「クリスマスプレゼントはですね、人間たちがクリスマスの日に買う贈り物の事です。
カップルや家族に贈られるのが、一般だそうです。」

「へぇ……。」

ココアの説明に納得するルエ。
すると、千香が二人に向かって言った。

「二人とも!! 早く行こうよ!!」

「あぁ、そうだな。」

「でも、アリーさんはどうするんですか?」

「うーん、アリーはどうしようか……。」

三人がそう考えていると、

「リア充は氏ね!!」

と、アリーがものすごい形相で言って来た。

「うわ!? アリーか、びっくりした!」

「リア充は氏ね!!」

「って、アリー、ホンマにどうしたん!?」

「千香さん、これには事情があるんですーーーーー!!」

「えぇっ!? ……まぁ、とにかく逃げるで!!」

「分かった!/分かりました!」

三人は、ブツブツ言いながら走ってくるアリーから少しでも離れるため、全速力で走りだした。