複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 クロス正月小説うp!! ( No.376 )
日時: 2012/01/11 19:48
名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)


—病室—

「—っ!!」

何か気配を感じたルエは、じっとドアの方を見る。
すると、

「あら、あたしの気配を感じているのね。
さすが、殺人を犯しただけあるわ。」

という声が聞こえた。

「! ……誰だ……?」

ルエがそう問うと、その人はドアの向こうからこう名乗った。

「あたしはゼルフ。あなたの過去を知る一人よ。」

「!! ……なん……だと……!?」

「ねぇ、話してあげましょうか? あなたの過去を。」

「!!!」

その言葉を聞いた瞬間、ルエはうずくまり、怯えだした。

「……嫌だ……!! やめて……!!」

「……もしかしてあなた、自分の罪を忘れたいの?
まぁいいわ。話してあげる。」

ゼルフはドアの向こうから、ルエに囁くように語りかけた。

「十年前、まだ人間だったあなたは、自分の両親を包丁で殺した。
そして、警察に連行され、そのせいで、あなたは誰からも嫌われた。」

「やめろ……!! やめろ……!!」

だが、ルエの願いを無視し、ゼルフは続けた。

「そして、あなたはクラスメイトの一部からいじめを受け、最終的には自殺した。」

「やめろ……!! これ以上、話さないでくれ……!!」

「その時の記者会見では、こう言っていたの。『勝手ながら申し訳ありませんが、私の学校では、いじめは一切なかった事とさせていただきます。』ってね。」

「!!!」

ルエは驚き、ドアの方を見る。
するとそこにはいつの間にか、ゼルフがルエを見つめながら、悪魔の笑みを浮かべて立っていた。