複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 クロス正月小説うp!! ( No.379 )
日時: 2012/01/06 16:54
名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)

「……ぁ……う……。」

ゼルフを目にしたルエは、恐怖で震えていた。
だがそんなルエをよそに、ゼルフは彼女に近づいて、また囁くように言った。

「堕天使となったあなたは、アリー達と共に人間界に行き、そこでも殺人を犯した。」

「違う!! 私は何もしていない!!」

「いいえ、あなたは罪のない人間を殺した。」

「違う!!」

「そしてあなたは殺人鬼となり、たくさんの人間を殺した。」

「違う!!」

「あなたは……。」

「もうやめてくれ!!」

ゼルフが何か言う前に、ルエは大声でそう叫ぶと、隣にあった椅子を片手で掴んでゼルフに向かって投げつける。
だがその椅子はゼルフに避けられ、ゆるやかなカーブを描き、地面に落ちた。

ドゴッ!!

鈍い音が、病室に響き渡った。

ルエは荒い息を吐きながら、地面に落ちた椅子を見つめると、やがてゼルフを睨み付けて大声で叫んだ。

「ここから出ていけ!! お前に用はない!!」

すると、ゼルフはにやりと笑みを浮かべてこう言った。

「分かったわ。でも、私はまたあなたに会いに行く。必ずね。」

そして、ゼルフは病室を出ていった。

「……ぅ……あ……あ……。」

ルエは混乱したのか、うずくまり、小刻みに震える。
すると、急に病室の扉が開き、そこからライが入って来た。

「なっ!? ……いったい……何が……。」

ライはそう呟き、ふとルエの方を見る。
そこには、悲しげな瞳でライを見つめる、ルエの姿があった。